幅広い人たちと「つながる」ことが可能なSNSだが、ここ1~2年は「LINE疲れ」「Facebook疲れ」など、一部で「SNS離れ」も起きている。ただ、写真を加工し共有するアプリ「Instagram」だけは別のようだ。マーケティングを専門とするMMD研究所が7月10日~11日にかけて、スマートフォンを所有する20歳以上の男女を対象にウェブアンケートを行なった結果、今年1~6月の期間によく利用したアプリのジャンルでは「ゲーム」が16.5%と最も多く、次いで「SNS」が16.3%だった。13年、14年に行った同様の調査と比較すると、「ゲーム」「動画」の利用は増えているのに対し、「SNS」の利用は減少している(有効回答:563名)。
「SNS」の利用率は、13年の20.8%から、14年は16.3%へと減少。今年も14年と同率の16.3%で減少傾向だ。一方「ゲーム」は、13~14年の13.8%(同率)から、今年は16.5%と増加。「動画」も、テレビ局各社のオンデマンドサービスなどが充実してきたためか、13年にはわずか5.3%だったが、14年は9.2%、今年は9.6%と順調に伸びている。「SNS」の利用率が下がっているのとは対照的だ。
SNSについて聞いたところ、「現在利用している」との回答が最も多かったのは「LINE」で66.6%、次いで「Facebook」が47.4%、「Twitter」が35.3%だった。なお、昨年と比較すると「Instagram」の利用率が最も増えており、6.6ポイント増(14年:7.8%→15年:14.4%)となっている。「Instagram」は、FacebookやTwitterなどと比べればクローズドな知人中心のSNSだ。同じく、より身近な知人とつながる「LINE」も5.6ポイント増加している。
人々の「SNS疲れ」によって、ソーシャルメディアは、広く浅く人間関係を広げるというより、より親密な人とのつながりを深めるためのツールに変わっているのかもしれない。5ポイント以上増やしたInstagramやLINEと比べ、よりオフィシャルな人脈を広めるための「Facebook」は1.2ポイント増、ネット上の知り合いを含む、多くの人に開かれた「Twitter」は0.6ポイント減だった。興味深いのは、Facebookの伸び悩みに対し「Facebookメッセンジャー」の利用が増えている点(14年:13.6%→15年:17.8%)である。メッセンジャーで親しい知人とコミュニケーションを取り合いたい、という重要が増えているのだろう。時代によって、SNSへのニーズが移り変わっていく様子が伺える。(編集担当:北条かや)