今年1月に経営破たんしたスカイマークの債権者集会が、5日に東京地方裁判所で行われた。同社の再建を巡っては、全日空を傘下に持つANAホールディングス<9202>などを支援企業とするスカイマークの再生計画案に対して、最大の債権者である「イントレピッド・アビエーション」が対抗案を提出するなど、対立構造が生まれていた。その後、「イントレピッド・アビエーション」はアメリカ大手の航空会社「デルタ航空」を支援企業として加え、同社の再生計画案が成立することを前提に債権の一部を取り下げるなどの条件を提示していた。
こうしてANAホールディングスと「デルタ航空」という、日米の大手航空会社をそれぞれ支援企業とする2つの再生計画案が提示されていたが、債権者集会で投票が行われた結果、スカイマークの再生計画案が可決され東京地方裁判所から認可決定を受けた。「イントレピッド・アビエーション」は反対したものの、スカイマークの再生計画案は投票した債権者174人のうち、過半数を超える135.5人からの同意と、債権総額の60.25%を保有する債権者からの同意を得て可決に至った。一方、「イントレピッド・アビエーション」の再生計画案は債権者37.5人の同意と、債権総額の38.13%を保有する債権者からの同意を得るにとどまった。今回の結果を受けてスマイマークは、今後、国内の投資ファンド「インテグラル」やANAホールディングスなどから180億円の出資を受け、さらには全日空と共同運航を行ったり機材整備や燃料調達の面で支援を受けるなどして、本格的な経営再建に乗り出す。
出資の比率は投資ファンドの「インテグラル」が50.1%、ANAホールディングスが16.5%、日本政策投資銀行と三井住友銀行によるファンドが33.4%となっている。会長には「インテグラ」代表の佐山展生氏が、社長には日本政策投資銀行元常務の市江正彦氏が就任予定。
日米大手の航空会社を支援企業とする2つの再生計画案が対立する異例の事態となっていたが、結果的にスカイマークの案が採られることとなった。しかしスカイマークの経営再建はようやく船出したばかりだ。今後、台頭するLCC(格安航空会社)との競争にいかに打ち勝ち生き残っていくのかなど、同社の経営再建のための課題はまだ多く残されている。(編集担当:滝川幸平)