北朝鮮が韓国に砲弾した問題について、中谷元防衛大臣は21日の記者会見で「北朝鮮が今後、どのような行動に出るのか注視していく」とともに「現時点でわが国の安全保障に直ちに影響を与えるような事態は生起をしていないわけだが、引き続き、情報収集はしっかり行えるような態勢を取っていきたい」と語った。
中谷防衛大臣は「北朝鮮及び韓国等の軍の動き等、個々の具体的なことについては事柄の性質上、コメントは控えたい」と前置きしたうえで「北朝鮮はこれまでも、2010年の延坪島砲撃事案のように局地的な軍事挑発事案が発生をした。今月4日に非武装地帯(DMZ)内で地雷が爆発する事件が起こり、南北間の緊張は高まっており、防衛省としては引き続き様々な情報手段を用いてわが国の平和と安全の確保に必要な各種情報の収集・分析に万全を期す」と述べた。
そのうえで「北朝鮮の動きとしては、これまでも弾道ミサイルの発射を繰り返しており、その軍事能力の維持・強化に努めているとみている」と述べた。また「今月17日から実施されている米韓連合演習に対する北朝鮮の反発」も背景にあるとの見方を示した。
韓国発表によると北朝鮮軍が20日午後3時50分ごろ、南北軍事境界線に近い韓国京畿道(キョンギド)漣川(ヨンチョン)郡に砲弾1発、午後4時10分ごろにも数発撃ったとしている。これに対し韓国軍も北朝鮮地域に数十発の砲撃をしたとしており、両国間に緊張が続く。(編集担当:森高龍二)