購入前の商品イメージを自社サイトの3Dで確認 CTCがクラウド型3Dビジュアライゼーションを提供開始

2015年08月22日 20:23

 昨今、ネット販売の普及に伴い、3DやAR(拡張現実)技術を活用して、消費者が商品購入前に配置イメージや使用イメージを視覚的に確認(ビジュアライゼーション)できるサービスが増えている。しかし、消費者の環境にあわせて可視化に対応したシステムを構築するには専門的な3Dソフトウェアでの開発や業務システムとの連携が必要なため、期間もコストもかかるという課題があった。

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、3DやAR関連で高い技術力を持つフィンランドのITサービス企業VividWorks Ltd.と販売代理店契約を締結し、カスタマイズが容易で直観的に操作できるクラウド型の3DビジュアライゼーションVividPlatform(ヴィヴィッドプラットフォーム)の提供を開始した。自動車、建設・土木、住宅、インテリア、産業機械などに関連した製造業や小売業、観光業、教育業に向けてサービス展開し、3年間で10億円の売上を目指す。

 VividPlatformは、直感的なユーザーインタフェースを持ったクラウド型の3Dビジュアライゼーション。複雑なルールを持つ3D製品を組立て、色やオプションを選んだり、インテリアなどの空間をデザインできるなど、製品の魅力や利用シーンを視覚的に訴求することができるという。

 また、企業の販売システムやERPシステムとの連携機能を備えているため業務へ容易に組み込むことができる。専門的な3Dソフトを使用する場合と比べて約半分の期間で、既存のWebサイトやCRMの中で柔軟な3Dイメージの環境を構築することが可能。VividPlatformを組み込んだWebサイトでは、訪問者数やサイトの滞在時間の増加も期待でき、商品の購入機会の拡大にもつながる。

 さらに、部屋や建物などの写真から3Dの空間情報を計算し、商品を3Dモデルとして配置できる消費者ごとのシミュレーション環境を簡単に用意することが可能。例えば、家具メーカでは、タブレット上で、消費者の写真の中に商品のCGを重ね合わせ、色やオプションを変更して購入前に詳細に検討できるサービスが提供できるとしている。

 VividWorks社には2006年設立。本社はフィンランド オウル市で、現在、デンマーク、アメリカ、ドイツ、日本にも営業拠点を持っている。3DデータからCGツールを用いて製品や建物などを可視化するサービスVividPlatformを開発し、世界の大手家具・インテリア企業を中心に豊富な販売実績があり、今後は、建設資材、不動産や自動車などの業界に向けてサービスを展開していく予定だ。(編集担当:慶尾六郎)