男らしさ、女らしさの押し付けなど、性別によって「不公平だなぁ」と感じたことがある人は多いだろう。オウチーノ総研の調査では、男性の53.1%、女性では56.1%が「世の中、男性/女性に対して不公平」と思っていることが分かった。女性の不公平感がやや高い一方、女性の思いは一筋縄ではいかないようだ。なぜなら、女性の方が男性の2倍近く、「『女性で得をした』と思ったことがある」とも考えているからだ。
調査は今年7月、全国20~69歳の男女864名を対象に、インターネットで実施。男性、女性それぞれに「『世の中、男性/女性に対して不公平』と思うことはありますか?」と尋ねた結果、男性は、「多々ある」が22.5%、「たまにある」が30.6%とを合わせて、合計53.1%が「ある」と回答した。「あまりない」は25.3%、「全くない」は21.6%だった。これに対して女性では、「世の中、女性に対して不公平」と思うことが「多々ある」が24.9%、「たまにある」が31.2%で、合計56.1%が「世の中は女性に不公平」と回答。「あまりない」は31.9%、不公平感が「全くない」は、男性よりも10ポイント近く少ない12%だった。男女ともに半数以上が、異性と比較した「不公平さ」を感じており、女性の方がややその感覚が強いようだ。
一方、男女それぞれに、自分の性別によって「『得をした』と思うことはあるか」と聞いたところ、興味深い結果になった。男性は「男性で得をした」と思うことが「多々ある」が8.3%、「たまにある」が25.1%と、合わせてわずか33.4%だったのに対し、女性は、「女性で得をした」と思うことが「多々ある」が17.6%、「たまにある」が46.7%で、64.3%が「女性で得をした」経験があると回答。「得をした」割合は男性の2倍近くなった。女性たちが挙げた理由は、「女性限定のサービスや割引があるから」が突出して多く、次に「力仕事をしないですむから」、「奢ってもらえるから・多めに払ってもらえるから」、「優しくしてもらえるから」などが挙げられた。総じて女性たちは、社会的には性別による不公平があるものの、私的な領域では、「女性限定のサービスの恩恵」や「奢ってもらえる」などの「お得感」があると考えているようだ。(編集担当:北条かや)