共働き夫婦における病児対応 夫婦間の意識乖離広がる

2015年08月26日 12:14

 突然の子どもの体調不良に悩まされる共働き夫婦は少なくない。病児保育に対応していない保育園も多く、祖父母など世話する人が見つからない場合は夫婦のいずれかが会社を休まなくてはいけないことも――。育児貢献度への認識は夫側・妻側とで乖離しているようである。

 小学校就学前の子どもを持つ共働きの父親・母親(1週間の所定労働時間が30時間以上)に調査したところ、母親のうち約8割が「産前産後休暇」や「育児休業」を経験していると答えたのに対し、「現在育児休業中である」と回答した父親は、わずか1.3%であった。

 子どもが病気になった時の家庭内の対応の対応として最も多かったのは、「母親が仕事を休む(62.7%)」。ついで、「子どもにとっての祖父母に預ける(24.8%)」「父親が仕事を休む(7.8%)」「病児保育サービスを利用する(2.8%)」となった。

 病気の子どもに対して父親の関与が相対的に高い場面は、「土曜日にかかりつけ医など医療機関の受診に子どもを連れていく(24%)」。「保育所・幼稚園など預け先に送りに行く(23.7%)」であったが、いずれも母親が関与する割合の方がはるかに高い(母親の場合「土曜日にかかりつけ医など医療機関の受診に子どもを連れていく(72.2%)」。「保育所・幼稚園など預け先に送りに行く(67.8%)」)。

 果たして子を持つ女性は男性よりも子どものために休みを取りやすいのであろうか。

 「仕事を休むと職場に迷惑をかけると感じる」と回答した父親は43%であるのに対して、母親は68%。母親の方がはるかに高いプレッシャーを感じているようである。

 さらに、既婚者のみ子どもが病気になった場合の父親と母親の負担感を合計100%になるよう数値で記入してもらったところ、半数を超える母親が自分の負担が90%以上である(父親の負担は10%以下)と回答した。母親の負担が100%(父親の負担は0%)という回答も2割みられた。

 一方父親側からみると、父親の負担は20%台(母親の負担が80%台)という回答が最も多く、父親の負担が0%(母親負担100%)という回答はわずか5%にすぎない。育児貢献度に関して父親と母親双方の認識には大きな乖離がみられるようだ。(編集担当:堺不二子)