自動車部品メーカーのカヤバ工業<7242>は17日、自動車・二輪車用ショックアブソーバの販売の価格操作関わっていたことを認め、米国独占禁止法違反で米司法省との間で6200万ドル(約74億円)の罰金を支払うことで司法合意が成立したとの発表を行った。自動車などの振動を吸収する部品であるショックアブソーダーの販売において、1990年代半ばから2012年にかけて、他のメーカーとともに価格を不正に操作するカルテルに関わっていたことを認めたとのこと。
米国司法省は日本の自動車メーカーを中心としたカルテルの操作を続けており、今回のカヤバ工業を含めて、これまでに37社が関与を認めている。罰金は総額で26億ドル(約3100億円)にまでのぼっている。カヤバ工業は今回発表を行うとともに、今後の対応や経営責任について、「当社グループは、法令遵守の徹底と信頼回復に努め、これまでの独禁法コンプライアンス体制をより一層強化し、再発防止に向け、組織体制の見直し、教育活動の強化、および点検・監査の強化等を推進して参ります。本件が当社および各ステークホルダの皆様に及ぼす影響の大きさを厳粛に受け止め、また、本件のような事案を二度と起こさないという決意を込めて、代表 取締役会長、代表取締役社長執行役員および代表取締役副社長執行役員は、月額報酬の30%を3ヶ月の間、その他一部役員も月額報酬の一部を一定期間、自主返上することといたしました」とのコメントを発表している。
またカヤバ工業は今回支払う罰金については、16年3月期第2四半期に特別損失として計上するとしており、それにより16年3月期の連結最終利益を従来予想の92億円から80.9%ダウンの17億6000万円に下方修正し、一転して75.0%の減益見通しとなった。また併せて、4~9月期の連結最終損益についても、従来の予想である37億円の黒字から37億4000万円の赤字に下方修正し、一転して赤字の見通しとなった。この修正についてカヤバ工業は、「米国独占禁止法違反による罰金を特別損失に計上したことにより、当期純利益につきましては前回発表予想を下回る見通しとなりました」としている。(編集担当:滝川幸平)