ブリヂストン、300億円を投じて開発拠点を拡充

2015年10月19日 08:20

 ブリヂストン<5108>は16日、2016~20年の5年間を対象とした「2015中期経営計画」を発表。約300億円を投じて東京都小平市の技術センターを拡充。ゴムなど原材料の基礎研究のほか、IT(情報技術)による生産ラインの効率化などの開発体制を強化する。また鉱山・農業機械向け事業を社内カンパニーに集約させ、成長分野に経営資源を集中し、営業利益率10%の確保を目指す。また多額の投資を通じて、国内の開発と生産の両体制を効率化・最適化させ競合他社との競争力を高めたい考えだ。

 小平市の技術センターを基礎研究の世界拠点と位置付けて、17年に着工、18年より原材料や生産技術、試験などの施設を順次開設させていく。そのほか、社外の技術者との連携を深めるために、自動車メーカーや大学機関などの技術者が常駐できる施設も作る。それにより、技術革新のスピードを高めたい考えだ。

 あわせて小平市の技術センターに隣接する東京工場では、乗用車と小型トラック向けタイヤの生産をやめ、栃木県や山口県などの国内他工場に集約し国内生産の最適化をはかる。国内の主力で滋賀県彦根市の彦根工場では、約150億円を投じて設備を導入し、20年までにIT化、自動化に対応した生産ラインを確立するとしている。集約により国内の生産能力は一定期間減少するが、稼働率を高めることで生産量を維持する考えだ。また、16年3月の株主総会を経て、「指名委員会等設置会社」に移行し企業統治を強化させる。

 今回発表された「2015中期経営計画」についてブリヂストンは、自動運転や通信機器との連携など、車社会は今後大きく変わる可能性があるとし、高レベルの研究開発をいかにスピーディに進められるかが鍵となると、施設拡充や開発体制の強化の意義を説明している。そして「当社グループは、『真のグローバル企業』と『業界において全てに断トツ』を目指し、中期経営計画を経営の中心に据えて戦略的な施策を進めるとともに、経営改革の質とスピードの向上をはかる」とのコメント発表している。編集担当:滝川幸平)