東芝<6502>はその中期経営計画においてヘルスケア事業の強化を掲げているが、その一環として17日、次世代製品の開発と中長期の差異化技術の研究開発を行う拠点として、神奈川県川崎市の小向事業所内にヘルスケア開発センターを開所したとの発表を行った。またヘルスケア開発センターの開所と同時に、ヘルスケア分野における研究開発費として、2016年度には14度の3割アップとなる500億円を投入し、さらにヘルスケア開発センターを含めヘルスケア事業にたずさわる国内外の研究開発人員を、今の約3000名から16年度には2割アップとなる約3800名に増員するとの発表も行った。
今回開所が発表された川崎市の小向事業所内のヘルスケア開発センターでは、超音波画像診断装置や磁気共鳴断層撮影装置(MRI)、ウェアラブルセンシング技術、医療データ解析などのテーマごとにプロジェクトを立ち上げ、今後2年以外に市場に投入することのできる製品や技術の開発を行うとしている。またヘルスケア開発センターを開所するだけでなく、ヘルスケア事業の研究開発費について拡大を行い、中期経営計画で掲げたヘルスケア事業の強化の実現をはかる。
そして東芝はヘルスケア事業の17年度の売上高を14年度見込みの2倍強にあたる1兆円に引き上げる方針で、そのため前出の研究開発費の拡大や、研究開発人員も現在の3000名から16年度には3800名へと増員をはかる。さらに東芝としては目標として掲げる17年度の売上高1兆円を達成するためには、M&A(合併・買収)も辞さない考えだ。
東芝はヘルスケア事業をエネルギー事業や半導体事業に続く「第3の柱」的事業であるとの認識を示しており、これまで東芝メディカルが手がけてきた画像診断装置を中心とする「診断・治療」、そして病気の発症リスクを低減させる「予防」、病気や怪我の治癒後をケアする「予後・介護」、安全安心な生活環境づくりや健康をサポートする「健康増進」などの分野を中心に、ヘルスケア事業を拡大・成長させていきたいとしている。(編集担当:滝川幸平)