ハイアールアジア、埼玉県熊谷市に世界最大規模の研究開発拠点開設

2015年04月18日 17:24

 ハイアールアジアは3月19日、埼玉県熊谷市に新たなR&D(研究開発)拠点「ハイアールアジアR&D」を開設した。投資額は約70億円。敷地面積は約1万2426平方メートル、延床面積は約1万4930平方メートル。同社のR&D拠点の中で最大規模となる。

 冷蔵庫、エアコンを中心とした基礎研究や企画、デザイン、設計、製品の品質保証に関わる業務を行う。

 敷地内には、6階建ての事務棟、5階建ての実験棟、2棟の試験棟を建設した。実験棟には、苛酷な環境下で稼働実験を行う高湿室・高温室のほか、1日1万回の開閉試験が行える扉開閉ロボット試験室などが設けられた。試験棟の一棟は、輸送時の梱包を検証する「包装試験棟」、もう一棟は静音性を改善するための測定ができる「騒音試験棟」だ。

 同社は、1月14日に開催した戦略発表会で、「世界初」という「約200グラムのハンディ洗濯機」、水を使わず空気(オゾン)の力で除菌、消臭する「スーツリフレッシャー」などの新製品を発表している。

 熊谷の開所式で、同社代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏は、「これまで他のメーカーでは出せなかったような製品を出していきたい。IoT(Internet of Things/モノのインターネット)デバイスなど、今後はどんどんと製品化していきたい」と意気込みを語っている。

 さらに、同社では熊谷のR&D拠点を、大学、研究機関、企業などと連携して共同研究・開発を行うオープンイノベーションの場としていく方針で、地域への貢献も視野に入れている。また、同社は熊谷市を拠点とするプロ野球の独立リーグ・BCリーグ所属の「武蔵ヒートベアーズ」と1年間のスポンサー契約を結ぶなど、地域に密着した姿勢を示している。

 熊谷に配置された従業員数は約200人だが、年内には300人に増員する方針。新R&D拠点の開設により、同社の製品開発に拍車がかかりそうだ。(編集担当:久保田雄城)