石破茂地方創生担当大臣はTPPが大筋合意したのに伴う、国内の農業対策について「22年前のガット・ウルグアイラウンド合意の際も国会で何度か質疑に立ったが、UR対策予算6兆円を謳いながらも実際は土地改良長期計画の前倒しがその多くを占め『温泉ランド』のようなバラマキ的色彩もかなり見られたように思う」と同じことにならないよう、実効性のある政策が必要だとした。
こうした懸念については、山本一太元沖縄北方担当大臣も「重要5項目以外の農水産物の関税撤廃に関する合意内容が発表され、関係する農家の人たちは動揺している」としたうえで「政府が一度も関税を外したことのない834項目のうち、オレンジ、サクランボ、ハラミ、鶏肉等を含む半分の関税が撤廃されることが判明した。党農水部会でもさっそく懸念の声が出ているようだ。農業者の不安を払拭するため、重要5項目以外の農水産物に対する対策も検討する必要がある。ただし、ウルグアイ・ラウンド対策費(6兆円)の失敗を繰り返してはならない」と同様のことを言っている。
山本氏は「最大のポイントは、単なるバラマキではなく、真に農業の競争力強化に繋がる対策が打てるかどうかだ」と政策の中身を慎重に、的確に打ち出す必要を提起している。(編集担当:森高龍二)