60代前半男性のほぼ2人に1人が、仕事を希望しながらも職についていない状況にあることが分かった。
60-69歳の5,000人を対象に調査を行ったところ、60代の男女の26%が就業を希望しているが仕事につけていない状況であることが分かった。またその割合は60代前半男性でもっとも高く42.9%に上った。次に多いのが、65~69歳の男性で29.8%。ついで、60~64歳女性で20.5%、65~69歳女性で20.7%となった。男性特に60代前半は60代後半男性や同年代女性と比べて、労働意欲が高いということになる。
高年齢者の定年到達後の仕事の内容の変化については、「変わっていない」が49.0%で最多となった。一方、定年後の賃金額については、「減少した」と答えた人が41.9%が最も多く、その減少幅は「41~50%」が19.1%が最も多くなった。賃金が減少したと答えた人たちの割合は、女性(23.9%)よりも男性(56.0%)が多かった。男性では、60~64歳が55.4%となっており、わずかに65~69歳の46.8%が上回った。女性に比べて男性の方が、定年後に賃金が大幅に下がりやすいことが示唆された。
また、「賃金額はあまり変化していない」と答えたのは男性が23.6%だったのに対し、女性は43.8%であった。60~65歳男性では24.2%、65~69歳男性では23.0%、また60~64歳女性・65~69歳女性では43.8%となっており世代間の差はほとんど見られなかった。
このような状況に対し、賃金が下がったことについての考えを尋ねたところ(複数回答)、「賃金の低下は仕方がない・やむを得ない」とする人は72.6%(継続雇用者68.1%)である一方、「賃金を下げるのはおかしい・下がりすぎだ」という人は58.2%となっており、是認派と否認派が拮抗した状況となっているという。
猛スピードで進む高齢化。60代でも「まだまだ働き盛り」となる日も近いのかもしれない。しかしその際には、仕事に適した賃金をしっかりと頂きたいものである。(編集担当:堺不二子)