東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した「第44回東京モーターショー」プレスデーでホンダは、新型「ホンダNSX」の日本仕様モデルを発表した。軽量なボディに新世代の排気量3.5リッターV型6気筒直噴ツインターボエンジンをリアミッドシップに縦置き搭載し、走りと燃費性能を両立した高効率・高出力のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling-All Wheel Drive)」を搭載したスーパースポーツモデルだ。
新型NSXは、2個の前輪ツインモーター・ユニットがトルクベクタリング(左右輪にかかるトルクを個々に制御)を効かせてAWDと共にコーナーでのライントレースをフォローする。後輪を駆動する最高出力450ps、最大トルク55.0kg.mと言われるV6ツインターボエンジンと駆動モーターを組み合わせたシステム総合出力は581psだ。組み合わせるトランスミッションは、9速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)だ。
初代NSXは総アルミニウム合金製モノコックボディだったが、今回の新型NSXのボディも、通常の乗用車のような鋼板によるモノコック構造ではない。アルミニウム合金を多用しつつ超高強度鋼を集中的に使い剛性を高めた複合素材のレーシングカーなどが使うスペースフレーム構造を量産型ホンダ車として初採用した。
見慣れた?エクステリアだが、実車を目の当たりにするとエキゾティックな雰囲気を持ちつつ機能性をも両立したキャビンフォワードなパッケージングは、まさにスーパーカーのスタンス。スーパースポーツとしてのスタイリングを追求しているように見えるが、各部の形状には、それぞれ安定性を高めるダウンフォースの発生やエンジン冷却のためのエアフローマネジメントなど空力上の意味があり、 オハイオにある最先端の風洞実験施設で試験を重ねた成果を反映した結果の造形だ。
ボディサイズは全長×全幅×全高4470×1940×1215mm、ホイールベースは2630mm。かつてのNSXよりも全幅が130mmも広くなったが、全長は45mmほどの延長にとどまった。
サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式。サスアームなどは、すべてアルミ製となる。装着するタイヤは、前245/35R19、後295/30R20となる。それぞれのホイール内に収まるブレーキシステムはブレンボ製。ブレーキディスクはカーボンセラミック製だ。
インテリアは「Human-Support Cockpit」を標榜し、ドライバーが運転に集中できるデザインにしたという。前方視界のよさや、カラー液晶ディスプレイによる優れた視認性を実現したメーターパネル、簡素で直感的なインターフェース、人間工学に基づくドライバーズシートなどが特徴だ。
市販開始は来春、価格は1800万円ほどと予想される。(編集担当:吉田恒)