「日本語、乱れている」15年で13ポイント減 幅広い表現、許容?

2015年11月07日 21:29

 「今の国語は乱れている」と考える人は73.2%で、この15年で約13ポイント減少したことが、文化庁の「平成26年度『国語に関する世論調査』」でわかった。一方「乱れていないと思う」と考える人の割合は23.5%で、過去の調査結果(平成11、14、19年度)と比較すると増加傾向。平成11年度(10%)からは、「乱れていない」が2倍以上に増えている。依然として「乱れている」派が7割と多数を占めるが、「今の国語は乱れていない」と考える人が増加しているのは確かだ。

 調査は平成27年1月~2月、全国16歳以上の男女を対象に、個別面接調査で実施。1942サンプルの有効回答が得られた。

 「小さい時から小学生ぐらいまでの頃に、家庭で言葉遣いについて注意されたか、それとも、注意されなかったか」を尋ねた結果では、「注意された」(56.1%)の割合が「注意されなかった」(43.5%)を13ポイント上回った。過去の調査結果(平成12年度)と比較すると、「注意された」が約13ポイント減り、「注意されなかった」は約17ポイント増えている。多様な言葉遣いを許容する家庭が、増加しているのかもしれない。

 これに関連して、「自分が家庭で受けた言葉のしつけについて現在どう思っているか」聞いた結果でも、「適切にしつけられたと思う」が61.2%と最も多く、「もっときちんとしつけてくれれば良かったと思う」が12.9%となっている。過去の調査結果(平成12、19年度)と比較すると、「適切にしつけられたと思う」人は増加傾向。幼い頃、言葉遣いについて注意されず、かつ「それが適切だった」と考える人が増えている、ともとれる。

 一方、全体に対して「中学生・高校生の話を聞いて、言葉遣いが乱れていると感じるか」と聞いたところ、「乱れていると感じることがある」は72.8%だった。「乱れていると感じることはない」は22.5%。過去の調査結果(平成12、19年度)と比較すると、「乱れていると感じることがある」は減少傾向にあり、「乱れていると感じることがない」は、平成12年調査から2倍に増えている。「若者ことば」を生み出す中高生の言葉遣いについても、許容する人が徐々に増えているといえそうだ。(編集担当:北条かや)