見た目の年齢を左右するのは顔の向きや皮膚の動きだという。これまで、ヒトの見た目の年齢印象を調査する研究では、正面から見た真顔や、その写真・画像などの静止画を用いてきた。一方、実生活において目にするヒトの顔は正面の真顔だけでなく、斜め上を向いたり、横顔であったりと方向は様々。また会話をしながら作られる表情、顔の皮膚の動きなどを見ながら年齢に関する情報を得ていると考えられるという。
今回、ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業は、1)見た目の年齢が顔の向きや顔の皮膚の動きによって変わること、2) 見た目の年齢を決める際に、特に頬が重要な部位であること、を示唆する研究結果を得た。
この研究では、実生活を反映した条件で調査することにより、何がヒトの見た目の年齢を決めるのか、真の原因を探る検討を行った。日本人女性を対象に、顔の向きや顔の皮膚の動きが見た目の年齢に及ぼす影響を調べる実験を行った。その結果、正面から見るよりも若く見える顔の向きがあること、表情をつくる際に皮膚が動くことで、40 代を境に老けた印象を与えてしまうことが分かったという。
また、見た目の年齢を判断する際、観察者は被験者の顔のどの部位を見ているのか、について調べた。その結果、顔から個人を特定するときには、目・鼻・口を注視することが知られているが、見た目の年齢を判断する際には、“目”の他に、個人を特定するときには重要でなかった “頬”にも視線が向けられるということが分かった。
見た目の年齢は顔の向きや皮膚の動きに影響され、視線は頬にも集中する以上のことより、私達は実生活において、相手の顔の向きや頬の皮膚の動きに注目して見た目の年齢を判断している可能性が高く、シワ・たるみ等の、よく知られた老徴とは異なる、新たな老化徴候の存在が示唆されたとしている。
今後、皮膚の動きが老けた印象を与えるメカニズムや、顔の向きによる見た目の年齢の違いの原因を明らかにし、相手に老けた印象を与えず、若々しい印象を与える方法・化粧法の開発と提案に結び付けたいとしている。(編集担当:慶尾六郎)