連合の逢見直人事務局長は政府が補正予算の中で低所得の年金受給者に3万円程度の給付金を支給する生活支援について「場当たり的な政策で、安心につながる社会保障にそぐわないものと言わざるを得ない」との認識を示した。ただ、低年金受給者にとって大きな生活支援になることは事実のよう。
逢見事務局長は一億総活躍社会実現へ向けての緊急に実施すべき対策に対する政府の考え方については「少子高齢化という構造的な問題を先送りすることなく、真正面から取り組む姿勢と包摂と多様性という観点が示されている点は評価できる」と評した。
一方で「デフレ経済や少子化の根本的な要因には貧困や雇用の質の劣化、仕事と生活の両立が困難な働き方・働かせ方の問題などがある」とし「中小企業や非正規労働者の処遇改善と休み方・働き方改革の実現に一層力を入れるべき」としている。
また「賃上げは労使がたゆまぬ努力で得た成果の配分を交渉によって決めるものであり、政府が一方的にGDP600兆円という目標を掲げて働きかけを行うというのは違和感を覚える」といわば労働界側からも政府の姿勢に疑問をなげる格好。
逢見事務局長は「安心の社会保障のためには、社会保障と税の一体改革が確実に断行されなければならない」とこの点は経団連と同様の意見だ。(編集担当:森高龍二)