JTBが今年の年末年始の旅行動向を発表した。それによると、今年は国内旅行が牽引し、総旅行人数は過去最高になるという。これは同社の旅行動向の見通し「年末年始<12月23日(祝)~1月3日(日)の12日間(出発日基準)>に、1泊以上の旅行に出かける人」によるもの。この調査は、航空会社予約状況、業界動向、JTBグループの販売状況、1,200人へのアンケートから推計した。
まず今年の年末年始は、国内旅行者数が2,996万人(前年比0.3%増)と過去最高が予測され、海外旅行者数については、引き続き円安傾向であること、カレンダー上の休日が連続しないことに加えて、国際情勢への不安が高まり、62万8,000人(前年比4.3%減)となる見込み。
11月18日に観光庁が発表した旅行・観光消費動向調査によれば、2015年7月~9月(速報)の日本人による国内旅行消費額は6兆5,000億円で、前年同期比14.8%増と4月~6月期に続き、2期連続で前年同期比2桁増となっている。年末年始の旅行も国内旅行への意欲は高いと考えられることから、結果総旅行人数も比較が可能な1996年以降最高の3,058万8,000人となる見込みだという。
また、JTB総合研究所が2015年3月に実施した調査で、最近の国内旅行の考え方について聞いたところ、「泊まってみたいと思える宿泊施設が増えた(39.6%)」、「乗ってみたいと思える観光列車や新幹線などが増えた(25.6%)」と続いた。「訪日旅行者の増加がきっかけで日本の良さを再認識するようになった」も8.5%あり、訪日外国人の増加も日本人が少なからず国内旅行に目を向けるきっかけになっているといえそうだとしている。
アンケート調査で、今年の年末年始の旅行が昨年と比べてどのような変化や影響があるかを聞いたところ、昨年より増加したのは、「休みが取れそうなので昨年より遠距離に行く」(対前年比+3.0ポイント)、「円安になったので今年は国内旅行に行く」(同+0.6ポイント)、「来年旅行できそうにないので今年は行く」(同+0.6ポイント)、「今年は列車や飛行機を使う」(同+1.8ポイント)などのほか、「ふるさと旅行券を利用する」も2.4%あった。また、同アンケートで旅行の支出に対する意向について聞いたところ、「支出を増やしたい」は11.8%(同+0.8ポイント)だった。日常生活の節約は意識しつつも旅行への消費意欲は堅調と考えられるとしている。
次に、海外旅行人数は、日並びや海外情勢への不安から62万8,000人と予測している。海外旅行平均費用は、円安の影響や、日並びの関係で長期の旅行に行きにくいことから、対前年比-2.3%の21万7,000円となる見込み。(編集担当:慶尾六郎)