白物家電の上期出荷額、「爆買い」効果で9606億円

2015年12月01日 07:34

 2014年4月に実施された消費税増税の影響も徐々に薄れ始め、各業界の業績に回復傾向がみられ始めた今、さらに中国人を中心とする訪日外国人旅行客の「爆買い」効果が加わって、15年上期(4~9月期)の白物家電が好調に推移した。26日、日本電機工業会(JEMA)が15年上期の白物家電の国内出荷額を発表。それによれば、前年同期比5.6%増の9606億円という結果であった。日本電機工業会は下期(10~3月期)についても、堅調に推移するのではないかとの見方を示している。

 また日本電機工業会は、同日に10月単月の白物家電の国内出荷額も発表。それによれば、同12.7%増の1492億2000万円であり、これで6ヶ月連続のプラスとなった。10月単月を製品別に見てみると、「ルームエアコン」は同12.4%増の254億円であり、これで4ヶ月連続のプラス。「冷蔵庫」は同11.3%増の284億円であり、これで6ヶ月連続のプラス。「洗濯機」も同15.9%増の209億円であり、2ヶ月ぶりにプラスに転じた。そのほか、「掃除機」は同6.0%増の37万台で2ヶ月ぶりのプラス、「電子レンジ」は同10.3%増の23万台で7ヶ月連続のプラス、「炊飯器」は同9.6%増の46万台で7ヶ月連続のプラスという結果であった。省エネ機能や高機能の新商品への買い替え需要が好調に推移したこと、また上期同様に中国人を中心とする訪日外国人旅行客による「爆買い」効果が寄与した。

 今年一年を振り返るのは少し早いが、今回の白物家電の結果をみてもわかる通り、訪日外国人旅行客が国内の経済を強く支えている。しかし、そこに懸念材料がないわけではない。最近の中国経済の失速や石油価格の下落などがそうだ。まだ大きな影響を及ぼしてはいないものの、今後の動向次第では白物家電に限らず、国内の景気全体を失速させる可能性もある。さらに25日には、政府が11月の月例経済報告において、国内の景気判断を前月の「個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」と据え置いたものの、表現を前月の「このところ弱さがみられる」から「個人消費などに弱さがみられる」に変更している。現状は好調さを維持しているものの、まだまだ油断はできない状態が続いている。(編集担当:滝川幸平)