日産は2015年秋9月、ドイツ・フランクフルトショーで、新しいプレミアムコンパクトモデル、「インフィニティQ30コンセプト」を発表。Cセグメントに属するこのモデルは、基幹部品をメルセデスAクラスやBクラスと共用する、ルノー日産アライアンスとダイムラーの提携から生まれたグローバルモデルであることを表明した。
また、2015年11月に米国で開催されたロサンゼルスモーターショーにおいて市販モデル「インフィニティQ30」を正式発表した。
個性的なデザインの「インフィニティQ30」のターゲットは、プレミアムブランドを求める若い世代のユーザー。今後10年以内にプレミアムセグメントのユーザーの80%を占めると予想される1970年代以降に生まれた世代に、モダンなプレミアム感をアピールするクルマだという。
使用構成部品の内容こそ公表されていないが、市販モデルの「Q30」は、メルセデスのAクラス、Bクラスとプラットフォームやエンジン、トランスミッションなどの基幹部分を共用する。インフィニティQ30のボディサイズは全長×全幅×全高4430×1815×1520mm、ホイールベース2700mmで、そのディメンションはAクラスとほぼ一致する。
欧米仕様が搭載するパワーユニットは1.6リッター直列4気筒ターボ(最高出力122ps/最大トルク20.4kg.m)と同キャパシティからチューンの異なる最高出力156ps/最大トルク25.5kg.mガソリンターボ。2リッター直列4気筒ガソリンターボ(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)に加えて1.5リッター(109ps/26.5kg.m)と2.2リッター(170ps/35.7kg.m)のディーゼルターボエンジンをラインアップする。組み合わせるトランスミッションは、6速マニュアルと7速デュアルクラッチトランスミッションのふたつ。また、AWDモデルも用意する。日本向けにはエクストレイルに搭載するハイブリッドが搭載される可能性がある。
一見するとクロスオーバーSUVだが、インフィニティは「多様なニーズに応える、クーペ、セダン、ハッチバック、クロスオーバーなど、あらゆるボディ形状の特徴を融合したインフィニティ初の5ドアモデル」であると説明する。「セダンだから」や「SUVだから」といってクルマを選択するような価値観や、伝統的なカテゴリーにとらわれない、自身のライフスタイルに合ったクルマをを見極められるユーザーに向けた提案でもある。
なお、日産は、この「インフィニティQ30」の生産を、英国サンダーランド工場にて12月3日から開始したと発表。インフィニティ・ブランド車の欧州生産は初めて。(編集担当:吉田恒)