薬物依存の再犯防止策、取り組み進める 総理

2015年12月18日 11:27

 安倍晋三総理は17日、栃木県内の刑務所視察後、職員と懇談し「薬物依存の受刑者に対しては出所後も含めて息の長い対応が大切」と述べた。

 女子刑務所を視察した安倍総理は薬物依存受刑者への対応が困難な取り組みであることが実感できたとしたうえで「再犯防止のためには、出所後を含め息の長い対応が大切」とし「刑務所、厚生保護施設、施設退所、退所後に至るまでの一貫した薬物依存からの回復指導、再犯防止のプログラムを用いることなど力を入れていきたい」と語った。

 また安倍総理は「再犯防止のためには医療施設や福祉施設等との連携が重要で、官民が力を合わせていくことも大切。再犯防止の施策の取り組みを進めていきたい」と語った。

 警察庁データでは平成25年の薬物検挙人数は1万2951人。このうち覚せい剤事犯が84.2%を占めた。

 厚生労働省のデータでは平成24年の覚せい剤事犯での検挙者1万1842人のうち、7232人が再犯者で再犯率は61.1%だった。再犯率は平成17年、18年と下降したが、19年から再び右肩上がりになっている。(編集担当:森高龍二)