世界一のビルは高さ1キロ? サウジアラビアの超高層ビルへの思惑

2015年12月20日 20:43

 サウジアラビアで高さ1キロを超える、1008メートルのビルが建設されようとしている。着工時はキングダム・タワーと言う名称だったが、現在はジッダ・タワーという名称に変更された。
 
 ジッダ・タワーはホテル、サービスアパートメントやコンドミニアム、オフィスから形成される200階建てのビルとなる予定である。完成すれば現在UAEのドバイにあるブルジュ・ハリファの828メートルを抜き世界一高いビルとなる。

 ビルの高さでいえば日本で一番高いのはあべのハルカスの300メートル。(スカイツリーは塔やアンテナというくくりの建設物の為ビルではない)その高さの3倍を優に超えている。2010年に現存する最高のタワーであるブルジュ・ハリファが建設されてからわずか10年で180メートルも上を行ってしまうのである。ジッダ・タワーを皮切りに今後1000メートル級のタワーが次々とできることが予想される。

 驚くべきはその総工費や建設資材である。費用に至っては84億リヤル(約2700億円)資材に至っては7万トンの鉄鋼をはじめとする膨大な資材が必要になる。また、基礎部分は60メートルの深さを必要とし、海水にも耐えられるコンクリートを採用予定だ。その高さから形状についても数階ごとに変化させ、風がまともにあたらないよう、風向なども考慮している。

 とはいえ超高層ビルを建てるというのは予定通りいくものではない。元々は1600メートルを視野に入れていたが土壌等の問題もありこの高さに収まっている。さらに時期と言う問題でも遅れている。当初この話が出ていたのは2011年で、16年には完成予定だった。しかし、財源確保の面でうまくいかず建設したものの止まっていたプロジェクトも現在では26階まで建てられており、20年には完成される予定である。

 サウジアラビア政府は現在12億3千万ドル(約1515億円)のプロジェクト予算を確保したと発表しており完成に向け自信をのぞかせている。このまま建設が止まらず1000メートルを超すビルが完成することになったら人類の見る景色、目指す建物は大幅に変わってくるだろう。建設が止まることなく一気に無事完成されることを祈るだけである。(編集担当:久保田雄城)