12月は地球温暖化防止月間。COP21と日本のエコ活動

2015年12月19日 19:49

太陽光発電

「地球温暖化防止月間」1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)を契機に、翌年度から12月に定められたもの。

 12月が「地球温暖化防止月間」だということをご存じだろうか。「地球温暖化防止月間」1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)を契機に、翌年度から12月に定められたもので、国民、事業者、行政が一体となって、地球温暖化防止の啓発事業をはじめとする様々な取り組みが全国各地で行われている。

 折しも先日、フランスのパリではCOP21が終了したばかり。12月6日以降、閣僚間で協議が行われた末、12月12日に新たな法的枠組みである「パリ協定」が採択された。パリ協定の内容としては、「世界共通の長期目標として2℃目標のみならず1.5℃への言及」「主要排出国を含むすべての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること、共通かつ柔軟な方法でその実施状況を報告し、レビューを受けること」「JCMを含む市場メカニズムの活用が位置づけられたこと」「森林等の吸収源の保全・強化の重要性、途上国の森林減少・劣化からの排出を抑制する仕組み」「適応の長期目標の設定及び各国の適応計画プロセスと行動の実施」「先進国が引き続き資金を提供することと並んで途上国も自主的に資金を提供すること」「イノベーションの重要性が位置づけられたこと」「5年ごとに世界全体の状況を把握する仕組み」「協定の発効要件に国数及び排出量を用いるとしたこと」「「仙台防災枠組」への言及(COP決定)」が含まれている。この中には日本からの提案が取り入れられたものも多い。しかし、重要なのは法的な枠組みではなく、各国の国民や自治体、企業・団体の意識ではないだろうか。

 例えば、徳島県などは「地球温暖化防止月間」での啓発に積極的だ。徳島市の中心市街地を花いっぱいにするために花植えを行う「第4回とくしままちなか花ロードプロジェクト」や、小学校周辺の農地一面にろうそくをちりばめて田園を幻想的に照らす「鬼籠野 灯りのオブジェ」などの楽しいイベントから、地球温暖化で徳島県の暮らしはどう変化するか? をテーマにした「気候変動への適応セミナー」のようなかたい内容のものまで、同県で12月に行われる環境啓発イベントは枚挙にいとまがない。

 また、企業や個人の取り組みとしては、住宅メーカー・アキュラホームの宮沢俊哉社長が面白い取り組みを行っている。宮沢社長は今から4年前、自宅に太陽光発電と蓄電設備を導入し、エコ仕様化した。それだけならとくに珍しくもない話だが、面白いのは、それを同社の実験棟とし「買電ゼロ」に自ら挑戦したことだ。

 社長の自宅は、ヒートアイランド現象で度々ニュースにも取り上げられる埼玉県。40度を超える気温も観測されている場所である。宮沢社長はそんな場所で、最新の省エネ設備だけではなく、すだれを用いたり、屋内の風通しを改善するなどの工夫で、猛暑真っ只中の8月になんと21日間に及ぶ買電ゼロ生活を達成しているのだ。同社では、社長の体験を顧客への省エネ提案としても活用しているそうだが、実体験に基づく話なので説得力が大きく、顧客の省エネに対する関心も高まるという。

 地球温暖化と環境破壊については、今や小学生でも知っている社会問題だ。しかし、だからといって、環境に対する意識は法や制度で押し付けられるようなものではない。楽しみながら省エネや環境保護に取り組みたいものだ。(編集担当:石井絢子)