駆けつけ警護任務付与に参院選の考慮否定 防相

2015年12月24日 07:23

 中谷元防衛大臣は23日の記者会見でPKO活動での『駆けつけ警護』について、来夏の参院選挙を意識し、選挙後の派遣へ先送りする方針を固めたとする報道を受け、選挙を意識したものでないと先送り方針を固めたこともないとアピールした。

 中谷防衛大臣は「部隊の運用構想の検討、内部規則類の検討・整備など訓練実施のための必要な整備を行った上、今度は訓練を実施し、その結果をフィードバックして、部隊の意見も反映する」。

 「部隊指揮官や隊員が迷うことなく任務が遂行できるよう、能力を高めていく必要があると考えている。参議院選挙を考慮して、その要否や訓練の時期を判断しているわけではない」と語った。

 中谷防衛大臣は「規則や部隊運用基準、武器使用、こういうものを定めた上で、訓練が実施されるわけで、現在は、その基本となる教範とか規則、細部のことについて詰めの作業の段階」とした。

 また、中谷防衛大臣は「アフリカ・南スーダンへのPKOで第9次要員(350人)が派遣されているが、この要員はこの法制の検討・準備などを踏まえた訓練を実施していないので、現時点で駆け付け警護などの業務を新たに付与することは考えていない」とした。

 第9次は11月22日から12月16日までに出発しており、現地で約半年間活動する。駆けつけ警護は法的には来年3月から可能になるため、この9次要員に任務付与が出されるのではないかとの見方も出ていた。ただ、訓練期間も含め、来年11月派遣要員からになるとの見方もある。一方で中谷大臣は「現時点では」とつけており、流動的な部分も否定できない。(編集担当:森高龍二)