毎年、この時期になると気になるのがインフルエンザ情報だ。インフルエンザと一口に言っても、そのタイプによって症状も対策も異なってくる。2016年に流行するのは、どんなタイプのインフルエンザウイルスなのだろうか。
2016年は、B型ビクトリアといわれる型のインフルエンザウイルスが流行するといわれている。B型であれA型であれ、インフルエンザに感染すると38°以上の高熱や咳、鼻水、喉の痛み、筋肉痛、悪寒、倦怠感、関節痛など、たくさんの症状がみられるが、B型インフルエンザの特徴としては、腹痛や下痢など、消化器系の症状が出やすいとされている。また、B型ビクトリアは感染力が強く、激しい咳が出るとも言われている。
予防のためには、早めの予防接種が大切だが、実は今シーズンのインフルエンザワクチンの製造に、遅れが生じているようだ。厚生労働省の発表によると、インフルエンザワクチンの今シーズンの供給予定量(平成27年6月現在)は約5,946万回分(約2,973万本)で、昨年度と比較して約11.15%減。抗インフルエンザウイルス薬の今シーズンの供給予定量(平成27年9月末日現在)は昨年度の供給予定量に比べ約55万人分減となっている。
こうなると、他の方法で予防に努める必要がある。手洗いの励行、マスクの着用はもちろん、食事などにも気を付けたい。
例えば、魚に多く含まれる「ビタミンD」はウイルスの撃退に役立つ栄養素といわれており、魚を日常的に食べることで、インフルエンザにかかりにくくなったという研究結果も報告されている。また、納豆や山芋に含まれるヌルヌル成分「ムチン」は、気管や消化管、目などの粘膜の表面をカバーしてくれる働きがあり、そのおかげで、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなるといわれている。さらに、ミツバチ由来のブラジル産プロポリスには抗ウイルス効果があり、インフルエンザやノロウイルスなどの感染予防に期待できることを山田養蜂場が発表している。同社からの助成を受けて研究にあたった弘前大学大学院の松宮朋穂助教によると、ブラジル産プロポリスには、人体に備わっている抗ウイルス機能を維持しつつ、ウイルス感染時の過剰な炎症反応を抑えて体の組織を保護する可能性を持つことが示唆されている。また、プロポリスの摂取は流行してからではなく、日常的に行うことで、さらに効果的になるという。
いずれにしても、自分や家族の身は自分たち自身で守る必要がある。今こうしている間にも、感染してしまっているかもしれない。できるだけ早めの対応を考えたいものだ。(編集担当:藤原伊織)