21日の日経平均は続落。前週末18日のNYダウは367ドル安で大幅続落。NYMEX(NYマーカンタイル取引所)のWTI原油先物価格が一時34.29ドルまで下落し、6年10ヵ月ぶりの安値。終値は34.73ドル。それに加えてこの日は先物やオプションの清算日が4つある「クアドラプル・ウィッチング(4人の魔女)」で、嫌な魔法がかけられクリスマス休暇前のポジション手じまいが重なって終盤に大きく下げて終えた。リスクオフで金先物価格は反発。欧米の暖冬もあり足元の原油価格は「下げすぎ」という見方が有力で、2016年は持ち直す観測が多い。CME先物清算値は18780円。21日朝方の為替レートはドル円が121円台前半、ユーロ円が131円台後半だった。
日経平均は141円安の18845円でクリスマス・ウィークの取引開始。TOPIXも2ケタ下落して始まるが、日経平均ともどもNY市場の結果から予想されたより高め。序盤は18900円台にタッチするが、午前9時6分の18920円をピークにズルズルと安値を更新し続ける。為替市場もその時間、121円付近まで円高進行。日経平均は180円近く下げて9時20分の18742円でいったん下げ止まるが、10時前は再び下落局面。10時ちょうどに18689円まで下げる。一目均衡表の「雲」の中で、12月SQ値、75日移動平均線より下。「原油安に追いつめられたオイルマネーのヤケ売り」という話もただの冗談とは思えなくなる。10時台は18700円台に戻っても弱々しく、再び18700円を割り込んで10時26分に18664円まで下落する。上海市場は小幅マイナスで始まって開始直後プラスに乗せる。それにつられて日経平均も18700円台に戻るが、上海が上昇を続け高値を更新するのと逆に、11時前に再び18700円を割り込む。11時24分には18651円まで下げ安値更新。「中日逆相関」のまま前引けは322円安の18664円。ボリンジャーバンドの25日線-2σ(18650円)よりも下で、統計学の「標準偏差」では、そこにある確率は4.55%以下。
上海市場はさらに上昇し1.4%のプラスで午前の取引を終えた。スペインの総選挙の開票結果は与党が単独過半数割れの情勢。有権者の意志はEU、ユーロ批判か、それともフランスのテロを受けての移民規制か。後場は前引けを上回って18700円に接近して始まり18750円まで上がってもすぐ元に戻る。利益確定売りで上値を抑える勢力がある。その後は18700円前後の小動きが続く。しかし午後1時前に18700円後半まではね上がり、1時台は18800円にもタッチ。日銀のプチ緩和発表後、チャートに「東京スカイツリー」が出現した18日を除けば、前場にひとしきり動き、後場は値動きが乏しくなって高値を更新できずに終わるのが最近の傾向だが、この日は少し違う。1時30分に発表された10月の全産業活動指数は+1.0%で9月の-0.2%よりも改善し、市場予測を0.1ポイント上回った。1時台後半は18800円タッチ止まりでなかなか抜けられなかったが、2時台はほぼ定着。午後の上海市場は大幅高、さらなる上値追いで再開し、うらやましくなる。中国政府が新しい景気刺激策を発表していた。2時に発表された11月の全国スーパー売上高は既存店ベースでは前年同月比1.0%減で8ヵ月ぶりのマイナス。一方、全国食品スーパー売上高は既存店ベースで前年同月比3.8%増で8ヵ月連続プラスと逆。スーパーは小さいほど業績がいい? 2時台の日経平均は上海の上昇だけでなく為替のドル円も円安方向に動いているので先物主導でマイナス幅をどんどん圧縮する。下げ幅が100円を割って18900円にタッチしたかと思えば、さらに19000円急接近。一目均衡表の雲の上限(18962円)を抜けて2時40分におよそ7円安の18979円まで上昇し、TOPIXは瞬間プラスにタッチ。後場に300円も上昇したため終盤は利益確定売りに頭を抑えられ18900円を一時割ってしまうが、最後は70円安の18916円で終了。続落しても、売り圧力がひどくボロボロになった前場から元気に立ち直り、翌22日の雲抜け、19000円台乗せ、年末の「掉尾の一振」へ希望をつないだ。日経平均もTOPIXも始値より高く終わった。上海総合指数は最後まで高値圏で安定し1.77%高。3600を回復し11月25日以来の高値。アジア市場は軒並みプラスで終わり、東京だけがマイナスだった。
新規IPOが2件。グローバルWiFi事業、情報通信サービス事業を手がけるビジョン<9416>が東証マザーズに新規上場。公開価格2000円に対し9時19分、10.6%高い2213円の初値がついた。スマホ向けオンラインゲームの運営を行うマイネット<3928>が東証マザーズに新規上場。公開価格1680円に対し9時32分、19.3%高い2005円の初値がついた。売れなかったゲームを買い取りリビルド(再生)するという。両銘柄とも人気の通信、コンテンツ関連の銘柄にしては初値形成が早すぎる気もするが、白星は白星。前週18日に東証マザーズに新規上場した情報セキュリティ製品の開発・販売を行うアークン<3927>に初値がつき、公開価格1360円に対し10時53分、3.62倍の4925円。12月の新規IPOは13連勝。年内はあと5件ある。
日経平均終値は70.78円安の18916.02円。騰落が3ケタでなかったのは実に12日ぶりで、激動の12月相場を物語る。TOPIX終値は-5.82の1531.28。後場、特に終盤に商いが盛り上がり、売買高は23億株、売買代金は2兆5382億円。値上がり銘柄数438に対し値下がり銘柄数は1400と多い。プラスのセクターは12、マイナスのセクターは21。値上がり業種上位は非鉄金属、鉄鋼、パルプ・紙、空運、食料品、電気・ガスなど。値下がり業種下位は証券、金属製品、精密機器、電気機器、倉庫、医薬品など。
22日の日経平均は3日続落。週明けのNYダウは123ドル高。NASDAQもS&P500もプラス。ユーロ圏消費者信頼感指数速報値はフランスのテロ直後に発表された前月に比べて0.3ポイント改善の-5.7で市場予測も上回ったが、EU・ユーロ批判のスペインの総選挙の結果を受けヨーロッパ市場は軒並み安。序盤のダウは中国政府の景気刺激策を好感して高かったが、イランの増産見通しが出て原油先物価格が一時6年10ヵ月ぶりに34ドルを割り込むとマイナス圏に急落。シカゴ連銀全米活動指数が前月の-0.17を下回る-0.3に低下したのも投資家心理を冷やした。午後は原油先物価格が持ち直しプラスとマイナスを行ったり来たりしたが、終盤に買いが入り3ケタ高で終えた。アメリカ長期金利は下落、原油先物はプラスで終了。金先物はドル安で大幅続伸した。為替はドル安円高が進みドル円は121円台前半、ユーロ円は132円台前半。CME先物清算値は18850円だった。
前日発表の政府の12月の月例経済報告は基調判断を「一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」で据え置き。雇用は良いが住宅建設、公共投資は下方修正で、輸出、設備投資、個人消費もさえない。前日4時発表の全国コンビニエンスストア売上高は0.9%増で8ヵ月連続増。11月の小売業は百貨店、GMSも入る全国スーパーがマイナス、食品スーパー、コンビニがプラスで、店舗のサイズが小さい業態ほど業績がよかった。
冬至の日の日経平均は11円高の18927円の小幅高で始まる。TOPIXもプラス。午前9時1分に18943円まで上昇した後、マイナス圏に急落し9時9分に18881円まで下げる乱高下。しかしその間もTOPIXはプラスを保ち、朝っぱらから先物プレイ。年間トレーディング成績が悪いとクリスマス直前でも残業ミッションを課されるのか? すまじきものは宮仕え。序盤はその後も下げ一方でTOPIXもマイナスになり、下げ止まったのは9時39分の18824円で、TOPIXも同時刻。しかし18890円付近まで回復してもすぐまた下げる。10時台に入ると18900円を超えプラスを回復してもつかの間で、11時にかけて18850円付近まで下げていく。政府が2016年度の実質成長率見通しを1.7%と発表。上海市場はプラスで始まるが、プラスとマイナスを行ったり来たりする乱高下の後、マイナスに沈む。しかし日経平均は18890円付近まで持ち直し、前引けは23円安の18892円だった。その間もTOPIXはおおむね小幅プラス圏で安定的に推移し、薄商いの中、先物プレイに日経平均が振り回された前場だった。
上海市場は右肩下がりで下落幅を拡大し午前の取引を終えた。日経平均は前引けより高く再開し、午後0時台に2回、プラスに浮上する。1時台には18930円を超える時間帯がありTOPIXは高値を更新するが、日経平均はなかなかプラスに定着できない。その元凶はファーストリテイリング<9983>のマイナス。後場は前日終値プラスマイナス20円程度の幅でもみあいが延々と続く。2時に再開した上海はマイナス圏から浮上できないまま。祝日休場の前日でもあり終盤は18900円を割り込み、29円安の18886円で3日続落。TOPIXはプラスで終値も「NTねじれ現象」。もしファーストリテイリングとテルモ<4543>の日経平均マイナス寄与度合計31円がなかったらプラスで終えていた。日中値幅は118円。上海総合指数は東京の取引終了後の終盤にプラスに浮上し、0.25%高で終えた。