【今週の振返り】「逆転勝ち」が3日続いて331円上昇した週

2015年11月14日 20:33

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マイナスで始まってもプラスで終わる。そんなパターンが12日まで3日続き7日続伸。野球やサッカーのプロチームと同じで、逆転で連勝できるのは「地力」の強さの証拠。

 9日の日経平均は大幅高で4日続伸。前週末6日のNYダウは46ドル高で3日ぶりの小幅反発。雇用統計発表後に一時94ドル安まで下落したが、終値ではプラスになった。NASDAQはプラスだったがS&P500はマイナス。注目の雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予測の18万人に対し約1.5倍の27.1万人という「ビッグサプライズ」。失業率は0.1ポイント低下して5.0%で、平均時給は2.5%上昇した。年末商戦前の季節要因もあると言われながら12月利上げ説の背中をドンと押す数値で、CMEが算出するFF金利を12月に利上げする確率は56%から68%まで上がり、長期金利は上昇。ドルが買われ為替のドル円は一気に123円台に乗せた。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は12月利上げ支持を発言。ドル高円安の急進でCME先物清算値は19460円だった。

 ドル高ユーロ安でヨーロッパ市場も全面高。9月の消費者信用残高も市場予測の+180億ドルに対し+289.18億ドルという記録的な増加ぶりで、これもサプライズ。利上げ観測を好感してバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースは大幅高になったが、原油先物は3日続落しエクソンモービル、シェブロンがダウの足を引っ張った。金先物は金融マーケットの世界的なリスクオフで7日続落した。9日朝方の為替レートはドル円が123円台前半、ユーロ円が132円台前半だった。

 シンガポールで中国と台湾の首脳会談が初めて実現。7日に法人税の実効税率を2016年度は30.88%とする方向で調整し、2017年度はさらに20%台に引き下げるという日経の記事が出ていたが、観測記事。30日の日銀会合結果発表直後の〃相場操縦記事〃のツケは2日に〃日経〃平均399円安で支払わされた。今に誰も信じなくなる。日経平均は145円高の19411円で始まる。TOPIXは一気に1570円台に乗せて今週スタート。1分後に19389円の安値をつけながらも序盤のうちに19500円を超える。中国の10月の貿易統計は、輸出は前年同月比6.9%減で4ヵ月連続のマイナス、輸入は18.8%減で12ヵ月連続のマイナスで、貿易不振続く。しかし3日続伸中の上海市場は小幅プラスで始まり、アップダウンしてもプラス圏は堅持する展開。日経平均は午後10時台後半に19600円を超え、11時台はさらに上昇する。円安で為替差益が出る自動車、電機など輸出関連セクターだけでなく、インバウンド関連や金融、証券のセクターも高い。円安は全てを癒す。前引けは412円高の19678円で、TOPIXは1580台に乗せた。

 上海市場は1.5%を超えるプラスで前場の取引を終了。日経平均は前引けから上げ幅を縮小して後場の取引を再開し、19600円台も割り込むが一時的。1時45分に19684円の高値をつけ、TOPIXも1590台に乗せる。為替のドル円は終始123円台前半で、前週末比約2円の大幅円安水準を維持する。9月の毎月勤労統計調査速報値が発表され、現金給与総額は+0.6%、実質賃金指数は+0.5%で3ヵ月連続の上昇。所定内給与は+0.4%だった。建設大手がザラ場中に4~9月期決算を発表し、大成建設<1801>も清水建設<1803>も通期業績の最終利益見通しを上方修正し、建設セクター全体の株価も上昇した。2時に再開した上海市場はプラス圏で少し凹んでもすぐ持ち直す。日経平均もそれに合わせて一時19600円を割るものの、終盤は再び上昇して377円高の19642円で4日続伸。8月20日(20033円)以来の高値で終え、2万円台回復まであと358円。TOPIXは大引けで1590台に乗せて終えた。上海総合指数も+1.58%で4日続伸した。

 日経平均終値は377.14円高の19642.74円、TOPIX終値は+27.38の1590.97。売買高は25億株、売買代金は2兆9983億円。値上がり銘柄数は1563、値下がり銘柄数は294。31業種が上昇し、上位は保険、精密機器、銀行、その他金融、証券、繊維、建設など。鉱業、非鉄金属の2業種が下落した。