11月30日の日経平均は続落。前週末27日のNYダウは14.90ドル安で3営業日ぶりの反落。NASDAQ、S&P500はプラス。感謝祭翌日は恒例の午後1時までの短縮取引。午後はウォール街から「ブラックフライデー」のお買い物をしに、ダウンタウンへくりだそう? ヨーロッパの各市場は小幅反落。市場参加者が少ない中、ヘルスケア関連や通信関連が高く、原油価格の下落でエクソンモービルやシェブロンなどエネルギー関連が下げたが、終日、25日終値付近での小動きだった。小売関連の年末商戦への期待も限定的で、メーシーズもウォルマートも下げていた。全米小売業協会(NRF)の年末商戦(11~12月売上高)見通しは+3.7%で前年比0.4ポイント減速。ブラックフライデーと言っても最近の消費者はダウンタウンのリアル店舗ではなく、感謝祭当日からセールしているネットショッピングへくりだしてしまう。金先物は下落。CME先物は20030円まで上がったが清算値は19890円。30日朝方の為替レートは、ドル円は122円台後半、ユーロ円は130円近辺で、前週末からドル高が進行した。
安倍内閣の支持率は41%から49%に上昇した(日経新聞・テレビ東京調査)。フランスのテロと前週、経済政策を発表した影響と思われるが株価には好材料。取引開始前に発表された10月の鉱工業生産指数速報値は1.4%増で、9月の1.1%増から好転して2ヵ月連続のプラスだったが、市場予測の1.9%増は下回った。基調判断は「一進一退で推移している」で据え置き。商業動態統計の小売業販売額は1.8%増で、9月の0.1%減から大きく好転した。気温が低下し秋冬物が売れ行き好調。国慶節休暇でインバウンド消費も伸びた。経産省は小売業の基調判断を上方修正し「持ち直しの動きがみられる」とした。
日経平均は26円安の19857円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。内閣支持率は上昇しても鉱工業生産指数が微妙。しかし序盤の株価は微妙どころかこの日で終わりの季節「秋」の日はつるべ落とし。小さくしぼむ帰り道。日経平均は19800円を割り、午前9時16分に19761円まで下落する。2万円は239円も遠くに離れ、TOPIXも1582まで下げて、心はさむい。前週末27日の上海の5.48%安を律儀に織り込んだ。ただ、最近の前場は「売り物をさばいたらすぐに反発」というパターンが多く、この日も10時台前半に19850円付近まで戻す。だがプラスにはなれない。上海市場は小幅反発で始まり、いったんマイナスまで下げた後にV字回復して上げ幅を拡大しながらも、再び急落する乱高下。日経平均も19800円付近まで下げて再び上昇してまた下げるパターンを描き、上海とシンクロする。振幅が小さくなって11時台は19800円を少し超える水準で推移し、前引けは76円安の19807円だった。
日銀の黒田総裁は名古屋で企業経営者に対し、2%のインフレ目標を達成するために賃上げを要請しつつ、「デフレ脱却が物価の問題である以上、まず行動すべきは日銀だ」と見得を切った。見得だけなら時平でも仁木弾正でも切る。上海市場は下げ幅をさらに拡大して午前の取引を安値引けで終える。為替のドル円も円高に振れ、後場の日経平均は再開後、どんどん安値を更新していく。東京市場で金先物価格が急落し、昨年6月以来およそ1年半ぶりの安値。要因はアメリカの利上げ観測で、利息がつかない金は利上げに弱い性質がある。機関投資家に「株を売って金先物の損を穴埋めする」という行動に出られたら、株価は上がらなくなる。19750円を割り、午後0時39分の19707円で下げ止まる。19700円は前々週の11月18日までは日経平均終値の上値を抑えるレジスタンスラインになっていたが、この日はサポートラインに変わって下支えした。敵を兄弟に変える、優しい法則。1時までに19750円付近まで回復し、1時台は当初19700円台後半、続いて19700円近辺で小動きする。しかし前日比で100円を超えるマイナス。再開した上海市場は-3%超の安値をつけた後で徐々に反発。日経平均は19750円付近で下値がサポートされる。
10月の新設住宅着工戸数は前年同月比2.5%減で8カ月ぶりに減少し、2.9%増の市場予測を大きく下回った。分譲マンションは17.2%減だが、販売でなく着工なので「傾いたマンション問題」は影響していないとみられる。黒田日銀総裁が名古屋で記者会見し、インフレ目標2%の早期達成が難しければ躊躇なく、追加緩和であれ何であれ政策を調整すると述べたが、以前から言っていることなのでマーケットは反応薄。終盤は19800円に迫って月末のドレッシング買いのお出ましかと思いきや、大引けで3銘柄採用、3銘柄除外のMSCIインデックスのリバランス売買が入って大きく下落し、136円安の19747円で続落した。TOPIXも続落したが1580台は確保。東京市場をひっかき回した上海総合指数は終盤、すました顔でプラスに浮上して0.26%高で終えるという〃悪女〃ぶりを発揮。さすがは「魔都・上海から来た女」。
前週27日に東証マザーズに上場した、ウェブ技術をベースとするグループウェアとその関連製品・サービスの開発、販売を手がけるネオジャパン<3921>に1時46分、週末を持ち越して初値がついた。公開価格2900円に対し5.01倍の14550円だった。終値は16220円で、派手なデビューになった。
日経平均終値は136.47円安の19747.47円、TOPIX終値は-14.20の1580.25。大引けで売買が急膨張し売買高は24億株、売買代金は2兆9090億円。値上がり銘柄数は892で値下がり銘柄数916とほぼ拮抗。しかし業種別騰落率は3対30でマイナスがかなり優勢。プラスのセクターは倉庫、機械、電気機器。マイナスのセクターの下位は保険、海運、医薬品、食料品、電気・ガス、卸売などだった。
東京市場の11月の取引がこの日で終了。前月末10月30日の終値19083.10円から664.37円上昇した。日経平均は8月、9月の2ヵ月で3197円も下落したが、10月、11月の2ヵ月で2359円上昇して73.7%取り返した。今年もあと1ヵ月。11月30日時点で昨年の大納会の終値17450.77円から2296円、13.1%の上昇で、昨年の年間騰落1159.46円(+7.1%)のほぼ2倍。しかし戦後4番目の上昇幅だった2013年の5896.13円(+56.7%)には遠く及ばない。
12月1日の日経平均は大幅反発、高値引けで念願の2万円に到達。週明け11月30日のNYダウは78ドル安で続落。NASDAQもS&P500もマイナスだった。パリの郊外で「COP21」が開幕しG20の首脳が一堂に会した。ヨーロッパ市場は小幅高が揃う。IMF(国際通貨基金)はワシントンDCの本部で理事会を開き、人民元を5番目のSDR(特別引出権)構成通貨に採用した。組入比率は10.92%で日本円よりも多い。11月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は48.7で好・不況の分かれ目の50を下回り、10月の56.2を大きく下回った。中古住宅仮契約指数は+0.2%で3ヵ月ぶりのプラスになったが市場予測には届かなかった。
この日はネットショッピングの書き入れ時「サイバーマンデー」とはいえ、セールは感謝祭当日からすでに始まっている。全米小売業協会(NRF)は11月30日のネット販売の購買者は前年比5%減でも、26~29日の購買者はリアル店舗を113万人上回ると予測した。アメリカ長期金利は下落、原油先物は続落、金先物は反発。ドルに対するユーロのレートはヘラスの子らのギリシャ問題に揺れていた4月以来の安値をつけ、為替のドル円は123円台前半、ユーロ円は130円台前半。CME先物清算値は19790円だった。