生活へのロボットの介入はどこまで進むのだろうか。自動で動きまわる掃除機はすでに市民権を得たが、テレビなどを観賞するホームプロジェクタもロボットと化した。
インターネット接続型家電を扱うCerevoは、自分で時間になると仕事場まで動き、仕事が終わると充電場所まで戻って来るというプロジェクタ・ホームロボット「Tipron」を開発した。レコーダやテレビ再生機能搭載パソコンとつなげれば、テレビなどの視聴も可能だ。
Tipronは、3mの距離で80インチの投影ができる。本体は、投影時には全高約80cmだが、充電時には全高約40cmに自動変形する。本体上部のプロジェクタ・ユニットは縦方向、左右方向に自在に動いて壁や天井など好きな位置に台形補正をかけつつ映像を投影できる。スピーカも内蔵しており、本体のみで映像と音声を楽しむことができる。
スケジュールを設定し、朝や夜などの決まった時間に指定した場所へ移動させることも可能。また、スマートフォンアプリからの手動操縦にも対応しており、本体に搭載したカメラの映像をスマートフォンでストリーミング再生しながら操縦できる。
表示する映像はストレージに保存した動画に加え、HDMI端子を利用してパソコンやレコーダなどから取り込んだもの。また、インターネット配信される動画を投影して視聴することも可能だ。家庭内のほか、オフィスでの利用も想定しているという。
ホームロボットというと、掃除機に加え、いわゆる癒し系のペット型や実務的な介護ロボットなどが次々に開発されている。ロボットの形を取らなくても、エアコンや冷蔵庫などをネットを通じて外出先から遠隔操作したり、さらに近年は家庭で使うエネルギーを節約するHEMS (Home Energy Management System)が登場するなど、家庭内のロボット化は進む一方だ。
Cerevoでは、「IT化されていないあらゆる分野」での開発を進めるとしている。家庭内ロボットがどこまで人の生活に影響してくるのか、便利になるのか、機械に縛られるのか、まだ発展途上の分野である。(編集担当:城西泰)