アサヒビール、五郎丸選手とパートナーシップ契約。両社(者)の2016年は如何に?

2016年01月09日 17:10

 アサヒビールが昨年、年も押し迫った12月中旬、ラグビーのワールドカップで日本代表として活躍した五郎丸歩選手(29歳)とパートナーシップ契約を結んだと記者発表した。

 五郎丸歩選手とアサヒビールの契約は2015年12月からで、既に2016年に発売予定の同社が発売する大型新商品の広告出演が決定済みだという。また、ラグビー振興およびスポーツ振興を目的とする「All for One!プロジェクト」を発足させ、ラグビー教室や講演会を開催する予定だとも。少年少女を対象としたラグビー教室や講演会などの取り組みを行なっていくもようだ。

 会見で五郎丸選手は、2016年2月から世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」のレッズ(豪州)でプレーすることに対し、「自身初めての海外での挑戦となりますのでいろんな不安もありますが、みなさんの期待に応えられるようにしっかりと結果を残して帰ってきたい」と語った。また来年の目標として、海外に初挑戦することで、これまで得てきた自信をゼロに戻して初心に帰るという思いを込めた「初」の字を掲げた。

 また、スポーツの良さを「見返りを求めないこと」と語り、“ワールドカップ以降注目が集まるなかで目立ってうれしいか”という記者の質問にも「まったくないですね」とさわやかに返答した。

 記者会見をしたアサヒビールの小路明善社長も、「世界を相手に積極果敢に挑戦する姿勢は、我々の(経営)テーマとリンクする」と起用の狙いを述べた。五郎丸選手は「スポーツ振興に力を注いでいきたい」と話した。

 日本ラグビーといえば、先般のW杯で過去2度の優勝を誇る南アフリカ代表を下し、大会史上もっとも衝撃的&刺激的な結果を残したのは記憶に新しい。五郎丸選手は、その世界大会で2度のマン・オブ・ザ・マッチを獲得し、日本人で初めて世界のベスト・フィフティーンに選ばれた。

 ところで、アサヒグループHD「お客様生活文化研究所」が、昨年末にインターネットを通じて「2015年に“元気をもらった”ニュース」に関するアンケートを実施した。有効な回答は2106件に達し、以下のような傾向が分かったという。

 その1位は「五郎丸選手たちの活躍で、ラグビー・ワールドカップ3勝の歴史的快挙」(51.3%)だった。寄せられた声のなかには「日本はラグビー後進国で活躍は無理と思っていた。でも、3勝も上げるなんて信じられない」(静岡県50歳代男性)、「今回の結果は、長年にわたって語り継がれるであろう、うれしいサプライズでした」(東京都40歳代男性)などだ。つまり、大会前に強豪がひしめくW杯で、日本チームが世界と渡り合えるなど誰も予想していなかったなかでの快進撃に驚かされたという声だ。なかでも、「南ア戦では、ラグビー観戦で、あれほど痺れた経験がない。最後の逆転トライまでの数分間は鳥肌が立っていた」という声が多く、歴史的な勝利とした声が多かったという。

 2位以下は羽生結弦さん、浅田真央さんとスポーツ界の人物のニュースが続く。いずれもスポーツの世界で私たちに“みえない努力”が、実を結んだことへの賛辞と思える。

 さて、2016年、五郎丸選手の活躍とアサヒビールの戦略は、いかなる実を結ぶのだろう。(編集担当:吉田恒)