ビール3社、業務効率化を目指して都内全域で共同配送を実施。

2015年08月19日 08:17

Beer Big3

なぜかサントリービールだけが参加しない、ビール大手3社の東京都内の協働配送

 アサヒビール、キリンビール、サッポロビールの3社は、2015年6月から実施している物流部門における環境負荷の低減および業務効率化を目指した協働配送の展開エリアを拡大する。

 これまで東京都の一部エリアで実施していた小型車配送の共同化を東京都内全域に拡大し、9月29日から開始するという。

 今回の拡大では、すでに相互活用を進めているサッポロビール足立配送センターとアサヒビール墨田配送センターに加え、アサヒビール平和島配送センター、アサヒビール新宿配送センター、アサヒビール西多摩配送センター、キリンビール東部物流センター、サッポロビール杉並配送センターの7つの配送センターを新たな相互活用拠点とし、3社および各社グループ会社の対象製品を東京都全域の各社の得意先に対して共同で配送する。

 これにより、6月から実施していた共同小型車配送を行なう得意先を1次展開時より10倍拡大し、のべ約1900店とし、さらなる配送距離の短縮・積載率の向上・車両回転率の向上を実現、環境負荷の低減につなげるという。

 アサヒビール、キリンビール、サッポロビールの3社は、業務効率化を目指し、東京都の一部エリアで小型車配送の共同化を行なうことで4月に合意し、6月から一部地域で実施していた。

 通常は工場から10トン車以上の大型トラックで卸店に配送を行なっているが、一部の地域では2~4トン車の小型トラックで配送している形態があることを受けた共同配送である。

 2011年8月からすでに相互活用を進めていたアサヒビールとキリンビールの配送拠点の共同化に加え、今回の配送共同化では、新たにサッポロビールの拠点を相互活用拠点として位置づけ、東京都の全域で、ビール系飲料・洋酒・ワイン・焼酎やグループの清涼飲料水などを共同配送するというもの。

 その際の発表では、1次展開として、2015年6月16日から足立区・台東区・墨田区・荒川区・文京区・葛飾区の東京都内6区で開始し、2次展開として、2015年秋頃から東京都内の他エリアにも順次拡大していくとしていた。それが具体化し9月29日に一挙に拡大することとなったわけだ。

 この取り組みで、配送距離の短縮・積載率の向上が実現するとともに、3社合計で、年間のCO2排出量を約137トン(従来比で約18%)削減可能と試算している。(編集担当:吉田恒)