ガソリン続落 顧客争奪戦が激化…需要減少で厳しい状況

2016年02月01日 07:56

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27日の経済産業省資源エネルギー庁の発表によると、25日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は115円20銭で、前週より2円値下がりした。

 1月27日の経済産業省資源エネルギー庁の発表によると、25日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は115円20銭で、前週より2円値下がりした。これで16週続けて値下がりしたことになる。

 日本通運<9062>は、2015年4月から9月の運送用トラックなどの燃料費が前年同期と比較して33億円減少した。今後についてもさらに燃料を安く調達することで、16年3月までに25億円の追加削減が見込めるとしている。バス会社も燃料費の節約が進んでいるという。

 灯油価格も下落しており、18リットル当たり1,131円、前週より29円安くなった。寒冷地の消費者からは「灯油代を節約できる」と嬉しい声が上がっている。以前よりも、車を使って外出を楽しむことが増えた消費者もいるであろう。

 ところが、販売側は苦しい状況が続いている。値下がりによって、ガソリンスタンドの顧客争奪戦が激化しているというのだ。15年11月の国内ガソリンの販売量は前年同月と比べて1.4%減少している。原油安の中、売上が伸びていないのだ。

 中には他店に対抗すべく、やむを得ず販売価格を下げたガソリンスタンドもあるという。人口減少やエコカーの普及によって、ガソリンそのものの需要が減り、全国のガソリンスタンド数は1994年度には60,421ヵ所あったが、14年度には33,510ヵ所にまで減少した。

 ガソリンは、石油元売り各社が海外から原油を輸入し、国内の製油所で精製された後、タンクに貯蔵される。そして、系列のガソリンスタンドを通して消費者が購入するという形が一般的だ。元売り各社は原油の調達費に加えて、精製費や運送費を上乗せして系列店に卸しているため、貯蔵タンクから離れている店ほど、ガソリンの販売価格が高い場合が多い。

 独立系企業などが運営するスタンドでは、国内で余ったガソリンを安く仕入れることが多く、価格競争に拍車をかけている。販売側は今後も厳しい状況が続きそうだ。(編集担当:久保田雄城)