ベビーシッター補助、企業負担10%に軽減 利用者激減の中

2016年02月03日 08:47

画・ヘ_ヒ_ーシッター補助、企業負担10%に軽減―利用者激減の中

厚生労働省は、2016年度から「ベビーシッター割引券」の企業負担を軽減する方針を固めた。大企業では3分の2から10%に、中小企業は2分の1から5%に負担を引き下げ、割引額を2,200円に増やす見込み。

 厚生労働省は、2016年度から「ベビーシッター割引券」の企業負担を軽減する方針を固めた。大企業では3分の2から10%に、中小企業は2分の1から5%に負担を引き下げ、割引額を2,200円に増やす見込み。

 企業負担は今年度から導入されたが、これを受けて福利厚生として利用する企業が激減し、割引券の利用が前年度の約9分の1にまで減った。これを受けて企業負担を大幅に減らし、多くの子育て世帯が利用できる環境を整えていきたいとしている。

 ベビーシッター利用料の補助は1994年から「ベビーシッター育児支援事業」として開始した。こども未来財団を通じて展開され、労働者が企業を通して申請すると、1回のベビーシッターの利用に対して1,700円を国が補助。年間10万回前後の利用があった。

 ところが、この補助事業は「子ども・子育て支援新制度」の導入を機に、2014年に廃止された。これまでは企業などからの「事業主拠出金」によって賄われていたが、同制度の導入により、拠出金の用途が限定されることになった。放課後児童クラブ、病児保育、延長保育の3事業である。

 そこで、厚生労働省は一般会計を財源とする「ベビーシッター派遣事業」を新たに導入した。補助額はこれまでと同様に1回につき1,700円だが、国の全額補助ではなく「企業の負担」が必要となった。これにより、14年度は4?11月の8ヶ月間で約67,000枚の利用があったが、今年度は同期間で約7,300枚にとどまった。予想をはるかに超える企業が申請を控える形となり、わずか1年で制度を改める必要が出てきたのだ。

 二転三転したシッター補助はこれにて一旦は落ち着くのか??。企業負担減に、利用額増。今回の発表は大変喜ばしいことではあるが、制度が変わる度に子育て世帯の「働き方」と「家計」に大きな影響を与えているという現状はいかがなものか。将来的にも安心できる多角的なサポートに期待したい。(編集担当:久保田雄城)