景気の現状を示す指数が、11月、12月と2ヶ月連続でマイナスとなった。増税の影響により軽自動車の販売が落ち込みをみせたことや、スマートフォン(多機能携帯電話)向けの電子部品の出荷が低調だったことがマイナスの要因となった。
内閣府は5日、2015年12月の景気動向指数(2010年=100、速報値)を発表。それによると、景気の現状を示す一致指数は前月から0.7ポイント低下して111.2で、2ヶ月連続のマイナス。スマートフォン向けの電子部品やディスプレーを作る装置の出荷が落ち込んだこと、さらに建物の材料や自動車のエンジンの出荷が低迷したことなどが影響した。これを受けて内閣府は、直近数ヶ月の平均値などから機械的に判断する基調判断を、前月までの「足踏みを示している」に据え置いた。基調判断を据え置くのは、これで8ヶ月連続のこととなる。
中国の景気減速の影響などにより、生産、消費関連の指標が軒並みマイナスに寄与した。前月と比較可能な8指標のうち、「投資財出荷指数(除輸送機械)」「鉱工業用生産財出荷指数」「生産指数(鉱工業)」「商業販売額(卸売業)」「商業販売額(小売業)」の5指標がマイナスに影響。なかでも電子部品やデバイス工業が低調だった「鉱工業用生産財出荷指数」が寄与度マイナス0.27、「生産指数(鉱工業)」がマイナス0.24と指数を押し下げた。一方、「有効求人倍率(除学卒)」や「中小企業出荷指数(製造業)」、そしてビデオカメラなどの娯楽用品の出荷が堅調に推移した「耐久消費財出荷指数」の3指標は指数のプラスに寄与した。
そして景気の先行きを示す先行指数は前月から1.2ポイント低下して102.0で、こちらも低下するのは2ヶ月連続のこととなる。さらに13年1月の101.6以来となる、低水準であった。先行指数が低下した要因には、原油安の影響を受けて日経商品指数や東証株価指数が下落したことなどが挙げられる。そして、景気の動きに遅れて反応を示す指標である遅行指数は、前月と横ばいで115.6であった。(編集担当:滝川幸平)