【今週の振返り】世界はリスクオフの白い闇に包まれて眠った

2016年02月13日 20:31

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日米欧でリスクを回避する風やまず、日本の長期金利は-0.035%まで下落。NY金先物は1263.9ドルまで上昇。為替のドル円は110円台後半まで円高進行。日経平均はザラ場で14865円まで下落した。

 日経平均終値は372.05円安の15713.39円、TOPIX終値は-39.37の1264.96。売買高は38億株、売買代金は3兆5368億円で連日売買はにぎやか。値上がり銘柄数は131、値下がり銘柄数は1780。全33業種がマイナスで、その下位は銀行、その他金融、電気・ガス、ガラス・土石、非鉄金属、陸運などだった。

 12日の日経平均は大幅に3日続落。10日のイエレンFRB議長の連邦議会下院での議会証言は、年明けの世界経済、金融情勢の不透明感を認識して利上げペース鈍化を示唆しながら、利下げやマイナス金利は想定外という発言でNYダウは99ドル安。CME先物清算値は15545円。為替のドル円はNY時間で113円台、さらに夕方のロンドン時間にはなんと110円台まで円高が急進した。

 春節休暇明けの11日の香港ハンセン指数は3.85%の大幅安。ドイツ銀行に続いてソシエテ・ジェネラルもBNPパリバも不安視されてヨーロッパ市場は軒並み大幅安。原油先物価格は26ドル台まで低下しNYダウは254ドル安で5日続落し、世界同時株安。「チャイナ・ショック」当時の昨年8月25日の安値を下回った。朝方の為替レートはドル円が112円台半ば、ユーロ円が127円台前半。CME先物清算値は15195円。

 祝日明けで「マイナーSQ」の日の日経平均は287円安の15426円で始まる。売り気配銘柄に値がつくにつれてどんどん下落し9時15分に一昨年10月21日以来15000円割れを喫する。700円以上の下落。SQ値が出て15156.81円で最初から「まぼろし」にはならず。算出直後から反発が始まり、9時30分までにSQ値をオーバー、10時までに15200円台をいったん回復するが、15000円近辺まで押し戻される。追証がらみの投げ売りは容赦ない。上海市場は春節休暇でまだ休場中だが香港市場は11日から再開しており、ハンセン指数はマイナスで始まる。為替が一瞬112円割れまで円高に振れ11時台の日経平均は15000円を割り込み、昨年来安値探りを続ける。11時21分に14865円まで下落。前引けは838円安の14874円だった。

 昼休みに為替が円安方向に折り返し、後場は15000円台で再開し15100円台、15200円台にも一時乗せる。正午すぎ、黒田日銀総裁と財務省の浅川財務官が首相官邸に入ったという報道を受けての反応で、「為替介入か?」と期待浮上。ドル円も一時113円台にタッチした。しかしその後は15000円は割り込まないが15000円~15300円のレンジで往復する。香港ハンセン指数はマイナスのまま。官邸から出てきた黒田総裁は「首相から金融政策への要望はなかった」とすげない発言。「利益確定売りの金曜日」で15日はアメリカ市場が休場する事情もあり、終盤にまた売り込まれ15000円を割り込み、終値は14952円だった。昨年来安値を更新した銘柄が1023も出た。日経平均先物日中取引の終値はさらに下げて14800円で安値引けだった。

 日経平均終値は760.78円安の14952.61円、TOPIX終値は-68.68の1196.28で1200割れ。SQ日なので商いはふくらみ売買高は47億株、売買代金は4兆1833億円。値上がり銘柄数は53、値下がり銘柄数は1877。全33業種がマイナスで、下位は海運、その他金融、証券、ガラス・土石、輸送用機器、化学工業など。香港ハンセン指数は1.22%安だった。

 今週の星取は1勝3敗。前週末5日の終値16819.59円から1866.98円下落して今週の取引を終えた。1月4~8日の週の1335.75円安以来の週間4ケタ安で、世界はリスクオフの白い闇に包まれて眠った。(編集担当:寺尾淳)