【今週の振返り】年明けから白星一つきりで550円下落した週

2016年01月16日 20:42

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雪が降っても、氷点下の寒さでも、冬来たりなば、春遠からじ。原油価格が下がっても、円高が続いても、反転の日は来たが、最後は黒田総裁がトドメを刺す

 3連休明け12日の日経平均は大幅安で昨年8月以来の6日続落。アメリカの12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びは29.2万人で市場予測の20万人より上で、過去2ヵ月分が上方修正された。失業率は5.0%で市場予測と同じ。平均時給は横ばいで市場予測を下回った。しかし原油先物価格が33ドル台にとどまると8日のNYダウは167ドル安で3日続落。週明け11日の上海総合指数は当局のテコ入れ策が功を奏さず5.33%の大幅安。原油先物価格が一時、12年ぶりの30ドル台まで下げても11日のNYダウは終盤プラスに転じ、52ドル高で4営業日ぶりのプラス。NASDAQは年末年始をはさんで8営業日続落。為替のドル円は一時116円台まで円高が進行したが、朝方は117円台後半、ユーロ円は127円台後半で歯止めがかかった。CME先物清算値は17390円だった。

 東京に初雪が降った日の日経平均は、雇用統計の良さを吹き飛ばすリスクオフの寒気団におおわれ終日、大幅安に沈んだままだった。上海総合指数は序盤は乱高下したが一時3000を割り込む。後場は押し目買いが入って下げ幅をやや圧縮して始まったが、原油先物価格が下げ止まらないのを嫌気して終盤は全面安になり終値は9月29日以来の安値水準。TOPIXは安値引けになった。

 日経平均終値は479.00円安の17218.96円、TOPIX終値は-45.37の1401.95。売買高は26億株、売買代金は2兆9731億円と活発。値上がり銘柄数はわずか33、値下がり銘柄数は1890。全33業種が下落し、下位は鉱業、石油・石炭、海運、非鉄金属、鉄鋼、保険など。上海総合指数は結局0.20%高の小反発。

 13日の日経平均は7営業日ぶりの大幅反発。トルコのイスタンブールで爆弾テロが起きたがヨーロッパ市場は全面高。原油先物価格は2003年12月以来の1バレル30ドル割れを喫したがNYダウはマイナスから反転し117ドル高で続伸。NASDAQは9営業日ぶりに反発した。中国人民銀行が香港を含めた海外市場で異例の大規模な人民元買い介入に踏み切り、人民元安に歯止めがかかったのが好感された。朝方の為替レートはドル円が117円台後半、ユーロ円が127円台後半。CME先物清算値は17390円だった。

 前日発表の景気ウォッチャー調査が良かったこともあり日経平均は自律反発気味に大幅反発で始まって17500円台に乗る。東京の朝は氷点下の寒さでも、マーケットは春の気配。人民元レートは横ばいで「10時15分」無事通過。上海市場は中国の貿易統計が市場予測よりも良くプラスで始まって「10時25分」も無事通過し、日経平均は17600円台に上がる。上海は息切れして一時マイナスに沈んだが、ドル円が118円台の円安になるとジリ高し、終盤に日経平均は17700円台に乗せた。

 日経平均終値は496.67円高の17715.63円、TOPIX終値は-40.14の1442.09。売買高は21億株、売買代金は2兆4961億円。値上がり銘柄数は1833、値下がり銘柄数は77で前日とほぼ真逆。全33業種がプラスで、上位はゴム製品、空運、証券、その他製品、金属製品、機械など。下位は鉱業、石油・石炭、医薬品、電気・ガス、海運、保険など。上海総合指数は2.42%安で3000ポイント割れ。

 14日の日経平均は大幅反落。FRBのベージュブックの内容は悪くなかったが原油先物価格が30ドル台から上向かずNYダウは364ドル安。朝方の為替レートはドル円が117円台後半、ユーロ円が128円近辺。CME先物清算値は17210円だった。

 機械受注統計が市場予測よりかなり悪く、日経平均は大幅安で始まり前日の上昇分を帳消しにする。上海も昨年来安値を更新する軟調で、日経平均は後場途中まで17000円台死守が精いっぱいのありさま。1時台にとうとう17000円を割ってしまい、昨年9月29日以来の事態。北日本で地震が多発し、ジャカルタでは爆弾テロ発生。テロリストまで株価の足を引っ張る。地政学的リスクも加わったリスクオフで安全資産とされる日本国債の先物が買われ、長期金利は0.190%の過去最低水準。それでも昨年来安値更新は回避し、終盤はプラス転換した上海市場に連動して17200円台まで持ち直した。

 日経平均終値は474.68円安の17240.95円、TOPIX終値は-35.54の1406.55。売買高は26億株、売買代金は2兆8562億円。値上がり銘柄数は104、値下がり銘柄数は1795。全33業種がマイナスで、その下位は鉱業、卸売、医薬品、機械、水産・農林、電気機器など。上海総合指数は1.96%高で終えていた。

 15日の日経平均は大幅続落。原油先物価格が下げ止まり31ドル台に戻ってNYダウは227ドル高と大幅反発。朝方の為替レートはドル円が118円台前半、ユーロ円が128円台前半。CME先物清算値は17495円だった。

 買い気があり日経平均がプラス360円を超えて17500円を上回ったのは序盤だけ。10時30分頃までズルズルと下落していく。上海市場はマイナスでも前場はなんとかプラス圏を保っていたが、後場は1時前にマイナス圏に落ち、2時台には上海に連動して一段安に。黒田日銀総裁が参議院予算委員会で「現時点で追加緩和をする考えはない」と発言すると為替は一層の円高進行。株価は金融セクターを中心に下げ続けて17057円の安値まで下落した。日中値幅は540円もあった。

 日経平均終値は93.84円安の17147.11円、TOPIX終値は-4.10の1402.45。売買高は24億株、売買代金は2兆4905億円。値上がり銘柄数は723、値下がり銘柄数は1115。プラスは13業種で、上位は空運、陸運、小売、電気・ガス、サービス、倉庫など。マイナスは20業種で、下位は保険、証券、水産・農林、輸送用機器、電気機器、不動産など。昨年来安値を更新した上海総合指数は3.54%の大幅安だった。

 今週の星取は1勝3敗。前週末8日の終値17697.96円から550.85円下落して今週の取引を終えた。新年が明けてから1勝8敗で、昨年の大納会から1886.60円も下げている。(編集担当:寺尾淳)