【今週の振返り】日銀マイナス金利の弊害だけ残って698円安

2016年02月06日 20:32

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マイナス金利号の特急券は「1日限り有効」。為替も株価も日銀会合前まで折り返し運転。黒田日銀が描いたダイヤ通りに運行せず、次の駅に到着できない乗客に疲労感つのる。

 1日の日経平均は大幅続伸。前週末29日のNYダウは396ドル高で、マイナス金利導入、黒田総裁が言う「3次元緩和」の効果が地球を周回しリスクオン。10~12月期GDPは+0.7%で市場予測を0.1ポイント下回ったが、原油先物は33ドル台まで上がった。CME先物清算値は17850円。1日朝方の為替レートはドル円が121円台前半、ユーロ円が131円台前半まで円安が進んでいた。

 日経平均は181円高の17699円と抑えめのスタート。この日発表の中国の経済指標と中国人民銀行の出方が気になる模様。それでも序盤に17700円を突破して17800円台にもタッチする。中国の製造業PMIは市場予測に比べて国家統計局のは下回り、財新のは上回る。人民元レートは小幅修正で上海市場は小幅マイナスで始まり、大して動揺せずひと安心で日経平均は17700円台を保つ。11時台には17800円台に上昇して前場高値引けした。上海は下げ幅を拡大しても後場は前引け水準で再開し、おおむね17800円台前半の水準を保って安定。2時台は上海市場の下げ幅が1%を超えたまま低迷しても、日経平均はCME清算値をオーバーして17800円台後半に上昇し、17900円台にも一時タッチ。大幅高のまま波乱もなく取引を終えた。長期金利は過去最低でも、今年に入ってから下落した分の半値戻しライン、17525円をクリアした。

 日経平均終値は346.93円高の17865.23円、TOPIX終値は+30.60の1462.67。売買高は35億株、売買代金は3兆8519億円で商い活発化。値上がり銘柄数は1617、値下がり銘柄数は286。プラスは30業種で、上位はその他金融、鉄鋼、情報・通信、不動産、電気機器、建設など。マイナスは銀行、空運、海運の3業種。上海総合指数は1.78%安だった。

 2日の日経平均は3日ぶりに反落。週明けのNYダウは17ドルの小幅安。ISM製造業景況感指数が4ヵ月連続の50割れ、原油先物価格は31ドル台に下落したため大幅マイナスが続いたが、終盤プラスに浮上。しかし最後まで続かなかった。NASDAQは小幅プラス。朝方の為替レートはドル円が121円近辺でドル安円高方向。ユーロ円は131円台後半。CME先物清算値は17740円。

 日経平均は反落して17716円で始まる。序盤に17700円を割り込んでも直ちに反発し底堅い。30分ほどで17800円台にタッチし、10時台は一時前日終値まで53銭まで急接近するがおおむね17800円台前半のマイナス圏で推移する。上海市場がプラスで始まって上昇一方なのを受けて11時台の日経平均も上昇。前引けは高値引けの17864円でTOPIXとともにプラス圏にわずかに及ばない。しかし後場は折り返して17800円を割り込み、1時台前半まで17700円台後半で推移。17700円近くまで下げた後、2時台に17800円近くまで上がり、改めて17700円を割り込んでから17750円まで戻して終わる波乱。上海は+2%にタッチする大幅プラスで安定したが、2営業日で820円上昇したこともあり、午後の東京市場は利益確定売りで不安定だった。踊り場のような調整日で日中値幅は180円。

 日経平均終値は114.55円安の17750.68円、TOPIX終値は-10.63の1452.04。売買高は27億株、売買代金は2兆9464億円。値上がり銘柄数は606、値下がり銘柄数は1246。プラスは9業種で、上位は医薬品、電気・ガス、陸運、精密機器、水産・農林、空運など。マイナスは24業種で、下位は鉄鋼、鉱業、非鉄金属、不動産、海運、石油・石炭など。上海総合指数は2.25%高だった。

 3日の日経平均は節分なのに鬼のような大幅続落。日銀のマイナス金利効果のリスクオンは売り切れ。原油先物価格が30ドルを割ってNYダウは295ドル安。強弱まちまちな企業決算、ヨーロッパは軟調、アイオワ州の党員集会での民主党の大接戦、本命クリントン氏の辛勝も影響したか? 為替のドル円が120円を割り込む円高進行で、朝方は120円近辺。ユーロ円は131円近辺。CME先物清算値は17470円。

 日経平均は253円安の17497円で17500円を割り込んでスタート。アメリカのヤフーの決算が最終赤字のソフトバンクG<9984>も、大寒波襲来で前日発表の1月の国内ユニクロ既存店売上高がV字回復したファーストリテイリング<9983>も下落し、日経平均を押し下げる。為替が119円台前半までズルズル円高に向かったので10時台半ばまで下げる一方。上海もマイナス。17400円も17300円も17200円も17100円も割り、安値は17080円でTOPIXは1400割れ。上海市場もマイナス。それでも前引けは17194円まで戻した。後場寄りは少し下げて始まるが、1時までに17200円台を回復。1時台後半には17200円を割り込むが前場よりも小動き。上海はマイナスで再開。2時台は17200円台にタッチする時間帯もあったが、大引けは559円安の17191円だった。企業決算で通期業績見通しの下方修正が相次ぎ、再び寒波が襲来したかのような大幅安に見舞われた。

 日経平均終値は559.43円安の17191.25円、TOPIX終値は-45.77の1406.27。売買高は31億株、売買代金は3兆1396億円。値上がり銘柄数は164、値下がり銘柄数は1735。プラスは石油・石炭1業種。マイナスは32業種で、下位は証券、鉄鋼、機械、輸送用機器、非鉄金属、海運など。上海総合指数は0.37%安だった。