甘利明前経済再生担当大臣の口利き見返りのよる金銭授受疑惑に関する民主党の追及チームはURと千葉県の建設会社との補償交渉に関し、甘利事務所前秘書と建設会社担当者との面会の音声データを文字に起こし、15日、メディアに公開した。
昨年11月2日に建設会社の交渉担当者によって録音されたもので、甘利事務所の前秘書とこの担当者が神奈川県内の飲食店で交わした会話が記録されている。
また、この音声記録をもとに、民主党の玉木雄一郎議員が同日の衆院予算委員会で口利き疑惑を追及。玉木議員は甘利事務所の当時の秘書の言葉として「一応推定20億かかりますとか、かかると聞いておりますとか、そういう、なんか言葉にして欲しいんですね。あっちの言い分も明確なあれがないって話だったんで、明確にしなきゃ、ですよね。もしかしたら実際の金額について細かいとこまで絡めないですよ。こいうところは今だったらギリギリ絡めるんで」と金額を示すなど関与していたと指摘。
「甘利事務所の秘書が金額交渉に深く介入している生々しいやりとりだ。これが事実であればあっせん利得処罰法違反は免れない」とした。
そのうえで、音声記録を予算委の理事会に提出するとともに、甘利前大臣と事務所の前秘書2人を証人喚問するよう求めた。安倍晋三総理は「甘利氏も説明責任を果たしていくと言っているので、果たしていくものと思う」として甘利前大臣の説明を待つ姿勢を示し、それ以上の対応姿勢は示さなかった。
この日開かれた衆院予算委員会後の理事懇談会では民主党の大串博志議員が証人喚問を要求したが、自民側から、甘利氏側の弁護士が捜査に支障がでるとして反対しており応じられない旨の回答があったという。今回の音声記録で疑惑が深まりを見せることとなった。(編集担当:森高龍二)