順天堂大学は、Appleが医療や健康に関する研究用に設計したオープンソースソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」を採用したロコモティブシンドローム(運動器症候群、略称:ロコモ)研究用iOSアプリケーション「ロコモニター」を開発した。利用者は、自身のデータをiPhone経由でネットワーク送信することにより、研究データとなるだけではなく、本人の運動状況やロコモ度の把握、ロコモ予防・改善が手軽に行えるようになる。
ロコモニターは順天堂大学が開発した日本初のロコモ研究用iOSアプリ。対象は1万人、期間を来月から2020年11月までと設定している。アプリは、すでにApp Storeで公開されており、App Store検索バーから「ロコモニター」で調べられる。質問項目と測定項目などの収集データを研究者へ送信することで、加齢や生活習慣等に起因する運動機能の低下を評価できるだけでなく、ロコモ度判定に応じた生活習慣(運動・食事)の改善支援にもつなげられるという。データは、iPhone に内蔵された加速度センサーや気圧計を利用して心拍数・不動時間・歩数・歩行距離・上った階数などが自動的に測定される。
現在、ロコモの人口は予備軍を含めて日本に約4,700万人とされている。研究者は「このアプリが日本国民の健康増進に大きな役割を担うことが期待される」と話している。
これもウエアラブル端末の一形態か。身体に付ける形の健康観測機器はこれまでもあったが、今回の開発はそのデータが研究者に直接送られ、研究に役立てられるとともに利用者の健康アドバイスにもつながることだという。スマホの中に自分の健康データを知っている研究者がいるという世界は心強いのか、面倒くさいのか。(編集担当:城西泰)