暖冬により、1月の電力需要が9ヶ月連続減

2016年02月23日 08:20

 暖冬により、前年よりも全国の気温が高めに推移したことが影響して、1月の電力需要実績の主要7業種すべてが前年同月を下回った。その結果、大手電力会社10社合計の、1月の家庭用などを含む全体の電力需要は前年同月比8.7%減の731億9700万キロワット時であり、9ヶ月連続で前年同月を下回った。エアコンなどの暖房の需要が減少したことが影響し、1月として過去最大の落ち込みをみせた。

 19日、電気事業連合会が1月の電力需要実績(速報、10社合計)を発表。それによれば、工場向けの「産業用大口電力」は同3.2%減の204億3900万キロワット時であり、21ヶ月連続のマイナス。先月に引き続き過去最長を更新した。海外経済の低迷が国内の生産活動に影響したものとみられる。

 そのほか、家庭向けの「電灯」は同11.4%減の297億5000万キロワット時、「電力」は同13.6%減の38億3900万キロワット時、商業施設などの「業務用」は同9.5%減の143億5000万キロワット時であった。
 
 主要業種別に見てみると、「機械」が同5.3%減の2億9100万キロワット時、「紙・パルプ」が同4.1%減の5億8400万キロワット時、「化学」が同1.8%減の20億7900万キロワット時、「窯業・土石」が同4.6%減の8億200万キロワット時、「鋼鉄」が同4.3%減の27億4300万キロワット時、「非鉄金属」が同1.8%減の12億1900万キロワット時、「機械」が同3.6%減の53億1900万キロワット時という結果であった。こうして主要7業種すべてがマイナスとなるのは6ヶ月連続のことで、特に「機械」「鋼鉄」の落ち込みが目立ち、それぞれ9ヶ月連続で前年同月を下回った。燃料安を背景に自家発電設備の導入が進んでいることや、大手電力会社から新電力へと契約を切り替える企業が現れていることなどが影響した。

 電力会社別に見てみると、東京電力<9501>が同9.4%減、関西電力<9503>が同11.3%減、中部電力<9502>が同8.2%減という結果であり、大手電力会社10社のうち、関西電力の減少幅が最も大きかった。そして、大手電力会社10社すべてが前年同月を下回った。(編集担当:滝川幸平)