前年よりも家庭の検針期間が短かったこと、また産業用の需要が低迷していることなどが影響して、電力10社合計の販売電力量が2ヶ月連続でのマイナスとなった。19日、電気事業連合会が5月の電力需要実績の速報を発表。それによれば、電力10社の合計の販売電力量は前年同月比2.9%ダウンの614億4100万キロワット時であり、これで2ヶ月連続でのマイナス。前年と比べて家庭の検針期間が短かったことなどが影響したものとみられており、特定規模需要における業務用、さらに産業用の大口電力販売量も前年同月比を下回っており、全体の数値を下げる結果となった。
販売電力の内訳を見てみると、家庭用の「電灯」は前年同月比4.0%ダウンの195億6200万キロワット時で、これで13ヶ月連続でのマイナスとなった。特定規模需要における「業務用」は前年同月比1.5%ダウンの132億1800万キロワット時で、産業用の大口電力販売量は前年同月比3.3%ダウンの209億8600万キロワット時であり、これで13ヶ月連続でもマイナスとなった。そして産業用の大口電力販売量では、2013年4月以来、「繊維」「紙・パルプ」「化学」「窯業・土石」「鋼鉄」「非鉄金属」「機械」の7業種すべてで前年同月を下回った。
会社別に見てみると、沖縄電力<9511>を除く9社が前年同月を下回り、なかでも大きな落ち込みをみせたのは北海道電力<9509>と中国電力<9504>で、北海道電力は前年同月比4.9%ダウン、中国電力は前年同月比4.1%ダウンという結果であった。また東京電力<9501>は前年同月比3.9%ダウンの186億9000万キロワット時であり、2ヶ月ぶりに前年同月を下回った。
電気事業連合会は今回の結果について、各種の経済指標は堅調で、生産活動全体が落ち込んでいるわけではないとした上で、しかしながら企業で生産を抑える動きや、自家発電を使う動きがみられたことが影響したとの見方を示している。電気事業連合会は、5月には消費税増税前の駆け込み需要の反動減がなくなるものとみていたが、結果的にその見込みは外れる形となった。(編集担当:滝川幸平)