【今週の展望】芽吹きの季節で月が変わればツキも変わるか?

2016年02月28日 20:46

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守りの「最終ライン」を上げて、下値想定は16000円。上値は25日線を突破しさらに攻めに出る。カウンターでボロボロにされる可能性は、小さくなっている。

 今週、2月第5週および3月第1週(2月29日、3月1~4日)は5日間の取引。2016年も激動の2ヵ月が過ぎ、火曜日から弥生、3月が始まる。3日はひな祭り(桃の節句)で、まだ風は冷たくても春は手の届くところまで来ている。週末の4日にはアメリカの雇用統計が発表され、これが今週最大のイベント。

 世界の主要株式市場は、2月29日に台湾、3月1日に韓国が休場する。

 国内の経済指標、イベントは鉱工業生産指数、商業販売統計、労働力調査、家計調査、法人企業統計など重要なものが揃う。

 2月29日には1月の鉱工業生産指数、商業販売統計(小売業販売額など)、2月の財務相の為替介入実績、3月1日には1月の労働力調査(有効求人倍率、失業率)、家計調査(二人以上世帯の実質消費支出など)、10~12月期の法人企業統計、2月の新車販売台数、軽自動車販売台数、2日には2月のマネタリーベース、ファーストリテイリング<9983>の国内ユニクロ既存店売上高、3日には2月の日経サービス業PMI、日銀当座預金の増減要因、4日には1月の毎月勤労統計調査が、それぞれ発表される。

 主要銘柄の決算発表は端境期で少ない。2月29日はパーク24、3月1日は伊藤園、2日はロックフィールド、3日はくらコーポレーション、アルチザ、4日は鳥貴族、日東製網、フジコーポレーション、ピープル、ファースト住建などが発表する。

 新規IPOは今週は3件。3月2日にバリューゴルフ<3931>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、「1人予約ランド」の運営、情報誌「月刊バリューゴルフ」の発行などゴルフ関連の総合情報サービス企業。公開価格は1280円。

 3日に中本パックス<7811>が東証2部に新規上場する。大阪市が本社で、グラビア印刷加工、ドライラミネート加工、コーティング加工などを手がける印刷・包装関連企業。公開価格は1470円。

 4日にヨシムラフードHD<2884>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、傘下の8社の食品メーカーではシューマイ、温麺(ウーメン)、鍋物セット、冷凍カキフライ、ピーナッツバター、ネギトロ、マグロの切り落とし、日本酒などを製造している。全部揃ったら大満足宴会コース? 公開価格は880円。

 3月はすでに20件の新規IPO上場日が決定済みで、「東京市場、春のIPOまつり」。お皿はもらえないが、権利確定イベントもあり個人投資家には楽しい月になりそう。なお、3月1日にジャスダックに上場するアクサスHD<3536>は、雑貨屋ブルドッグ<3331>(2月25日上場廃止)からの共同株式移転方式で3月1日付で設立され、代わりに上場するもの。公募もなく新規IPOとはみなさないのがふつう。

 海外の経済指標、イベントも、シカゴ購買部協会景気指数、ISM製造業、非製造業の景況指数、新車販売台数、ADP雇用統計に2月の雇用統計とアメリカで重要なものが目白押し。3月1日の「スーパーチューズデー」でトリックスター、トランプ氏は善戦しながら戦線を去るのか? それともこのまま「本命」になってジョークはまだ続くのか? ここで終わると長編映画にはならないが……。

 2月29日にはユーロ圏の2月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの2月のシカゴ購買部協会景気指数、1月の中古住宅販売仮契約、2月のダラス連銀製造業活動指数。3月1日には中国の2月の国家統計局の製造業PMI、非製造業PMI、財新の製造業PMI、ユーロ圏の1月の失業率、アメリカの1月の建設支出、2月のISM製造業景況指数、新車販売台数、ブラジルの2月の貿易収支が発表される。オーストラリアで政策金利が発表される。アメリカ大統領選挙の民主、共和両党の候補者選びのヤマ場で、予備選挙、党員集会が集中する「スーパーチューズデー」。 2日にはオーストラリアの10~12月期のGDP、アメリカの2月のADP雇用統計、FRBのベージュブック(地区連銀経済報告)が発表される。ブラジルで政策金利が発表される。

 3日にはオーストラリアの1月の貿易収支、ユーロ圏の1月の小売売上高、アメリカの2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、10~12月期の労働生産性指数改定値、ブラジルの10~12月期のGDP。4日にはオーストラリアの1月の小売売上高、ブラジルの1月の鉱工業生産、アメリカの2月の雇用統計(非農業部門雇用者数、完全失業率)、1月の貿易収支が発表される。

 5日の土曜日から中国の国会にあたる全人代(全国人民代表者大会)が始まる。

 アメリカ主要企業の決算発表は、3月1日にケイト・スペード&カンパニー、ダラー・ツリー、2日にアバークロンビーアンドフィッチ、コストコホールセールが発表する予定。

 東京市場が落ち着きを取り戻した前週の金曜日、2月26日の終値は16188.41円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均は16081円の5日線だけ下にあり、あとは16536円の25日線も、18109円の75日線も、18985円の200日線も上にある。日足一目均衡表の「雲」は17469~18014円。雲の下端まで1281円離れているが、一時は3000円以上離れていたことを思えばだいぶ近づいてきた。今週は上限は18014円で固定されるが、下限は2月29日の17405円から3月1~3日の17375円、4日の17286円へと徐々に下がっていく。「雲タッチ」は、もう雲をつかむような話ではない。

 ボリンジャーバンドでは、久しぶりに25日線-1σ(15835円)と+1σ(17237円)の間の「ニュートラル・ゾーン」に落ち着いた。上にも下にも動きやすい位置にある。-2σは15135円、+2σは「雲」の中の17937円にある。