加工食品、外食への依存高まる―都民調査

2016年03月01日 12:47

 東京都民は生鮮食品の買い物頻度が下がり、加工食品や外食に頼る割合が高まっていることが、東京都が行った「食品の購買意識に関する世論調査」でわかった。「生鮮」「加工」といっても調査は消費税アップに伴う軽減税率の議論には直接関係ないが、一般都民の消費性向を伺わせる興味深い結果となった。

 調査は2015年10月に20歳以上の都民3,000人を対象に個別訪問面接方式で行い、1,653の有効回答を得た(回答率55.1%)。

 「生鮮食品を週に何度購入するか」については、「購入しない」は3.6%にとどまり、ほとんどの人が購入していることがわかった。一方で、その頻度について前々回(2004年)、前回(2010年)と比べると、「週1、2回」が33.3%と前々回比6.4ポイント増、前回比5.1ポイント増と増える傾向にあることが分かり、逆に「週5日以上」と答えた人は前々回比3.7ポイント減の25.8%だった。買い物はするものの、その回数が減っていることが浮き彫りになった。

 また国産と外国産との比較について、「同じ種類・量の国産品と輸入品があった場合、価格差がどの程度までなら国産品を優先して購入するか」を聞いたところ、「同じ価格なら国産品を購入」は44.5%、「価格が3割高までなら国産品」が22.7%、「5割高までなら国産品」が2.8 %、「価格に関わらず国産品」が18.5%となり、「国産品か輸入品かはこだわらない」は8.7%だった。2010年と比べると、「3割高まで国産品」が6ポイント減、「5割高まで」は4.6%減となった。

 加工食品の利用頻度については、「利用しなかった」は2010年比7.5ポイント減の21.4%で、「週1回以上利用」は同9.9ポイント増の50.6%に上った。使用金額は、「2~3年前に比べて増加した」という回答が22.1%となり、2010年に比べて7.8ポイント増えていた。

 外食に関しては、「利用した」が71.3%に上り、2010年から5.3ポイント増加した。うち、「週1.2回以上利用」は同2.3ポイント増えて25.3%だった。使用金額について、19.1%が「増加した」と答え、前回調査から8.3ポイント上昇した。「減少した」は同9.7ポイント減って16.9%だった。

 生鮮食品の購入活動は減る傾向で、逆に加工品や外食の利用は頻度が増えるとともに使用金額も負担が増したと感じられているようだ。地域性も大いに関係するのだろうが、都民の食卓を考えた場合、加工品への依存はますます増えていくだろう。政策的にも軽減税率に加工品を入れておいてよかったね、ということになるのだろう。(編集担当:城西泰)