育鵬社問題「地元要請あれば対応」馳文科大臣

2016年03月09日 20:10

 馳浩文部科学大臣は8日、大阪市教育委員会が昨年の教科書採択で行った無記名アンケートに育鵬社(東京)の社員が強くかかわっていたとする問題で「育鵬社には猛省を促したい」と反省をもとめるとともに、事実関係について大阪市教委から協力要請があれば、育鵬社に対する事実関係の確認など必要な対応をとる」と答えた。中学の歴史と公民で採択されている。

 報道では無記名アンケートに育鵬社社員が関わり、同一人物がアンケートに何枚も育鵬社の教科書に有利に働くよう工作したとされる。馳大臣は「報道について承知している」とし「文科省として詳細な事実関係は把握していない」としたうえで「教科書採択は教育委員会の判断と責任により、綿密な調査研究を経て行われるべきもので、アンケート結果のみによって左右されるべきものではない。今回の結果が採択結果に不当な影響を及ぼしえたとまでは考えていない」とした。

 その一方で「報道にある、育鵬社の社員が行ったアンケートに対する働きかけともとられかねない行為については、採択への疑念を生じさせかねない軽率な行為と言わざるを得ない」とし「育鵬社には猛省を促したい」と採択に疑義を生じさせかねない行為に強い反省を求めた。

 また馳大臣は「一義的には採択権者である大阪市教委で対応するべきものと認識しているが、市教委から協力の申し出があれば、必要に応じて育鵬社に対する事実関係の確認など必要な対応をとる」と語った。大阪市教委はこの問題について調査する方針で、文科省を動員した調査がより有効といえそう。(編集担当:森高龍二)