矢野経済研究所では、国内のパチンコホール経営企業・店舗の調査を実施した。調査期間は2015年9月~12月、調査対象は全国のパチンコホール経営企業および全国のパチンコホール。調査方法は同社専門研究員による直接面談・電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査等を併用した。
それによると、2015年末のパチンコホール経営企業数は3,572社であったが、過去10年以上にわたり、一貫して企業数の減少が続いているという。2008 年以降2012年までは比較的減少幅が小さくなっていたものの、2013年以降は再び100社以上の企業減少が進んでいる。2014年末から2015年末では130企業が減少しており、これは主に1店舗経営などの小規模なパチンコホール経営企業の撤退や倒産が原因であり、この点は例年どおりと変わりない。なお、資本、経営者などで関連する企業ごとに企業のグループ化を行うと、パチンコホール経営企業は2,721のグループに集約できる。
また、2015年末時点で、全国で営業しているパチンコ店は1万993店舗であった。この5年間では847店舗が減少している。警察庁発表数値(営業許可証ベース)によると、1990年代前半には約1万8,000 店舗程度が存在していたため、過去20年程度で約7,000店舗程度が姿を消している。
2010年までの年間数百店舗の減少と比較すれば店舗数の増減は落ち着いているが、2013年以降は3年連続で200店舗以上の減少となり、2015年は減少数が300店舗に迫る状況であった。
2015年末時点での遊技機台数は約457万台であり、2014年比で0.44%減と微減レベルであるものの、経営企業数、店舗数と同様に遊技機台数も減少に転じた。遊技機種別では、パチスロ機での増加傾向が続いているという。2015年のパチスロ機の設置台数は2011年比で18.7%増であり、5年間で約26万台が増加している。しかし、2014年までと比較すればこの増加傾向が落ち着いたことが分かる。一方、パチンコ機は減少傾向にあり、2011年と比べて約12万台も減少している。2015年も引き続き「パチンコ減、パチスロ増」のトレンドが表れているが、パチスロ機の増加が止まったと考えられることから、今後は遊技機全体の設置台数は顕著に減少に向かうものと考えるとしている。
同社調べでは、2015年の新規出店数は、前年比1店舗減の 221店舗であった。東日本大震災のあった2011年を例外と捉えれば、新規出店数は微減または横這いが続いている。引き続き、東日本は東京都、埼玉県、神奈川県に出店が集中しており、西日本は大阪府、福岡県、兵庫県に出店が集中している。なお、大規模店舗の新規出店が堅調で、2012年以降は、毎年20店舗程度、遊技機台数1,000台以上の大型店舗が出店している。2015年は、1,000台以上の大型店舗が29店舗も出店したという。(編集担当:慶尾六郎)