IT専門調査会社 IDC Japanは、国内タブレット端末の2015年第4四半期(10月~12月)および2015年通年(1月~12月)の出荷台数を発表した。
それによると、2015年通年のタブレット端末出荷台数は、前年比1.5%増の831万台となった。これをセグメント別に見ると、家庭市場向けは前年比2.1%増の589万台、ビジネス市場向けは同0.2%増の241万台だった。市場の中心である家庭市場向けタブレットは需要を喚起しにくい状況にあり、またスマートフォンとの競合によって需要が減速し、タブレット市場全体が停滞した状態になったとしている。
2015年第4四半期のタブレット端末出荷台数は、前年同期比14.3%減の222万台で、家庭市場向けは同0.5%減の173万台、ビジネス市場向けは42.3%減の49万台となった。ビジネス市場向けの大きなマイナス成長の主要因としては、2014年第4四半期にあった教育市場向けの大型案件が2015年には無く、その反動が現れたことを挙げている。
タブレット市場を「デタッチャブルタブレット」(ハードウェアキーボードが脱着できるデタッチャブル型タブレット)と「タブレットスレート」(通常のスレート型タブレット)に分けて見ると、2015年の出荷台数はデタッチャブルタブレット121万台、タブレットスレート709万台と、タブレットスレートが約85%を占めている。しかし、その前年比成長率では、タブレットスレートの5.5%減に対して、デタッチャブルタブレットは80.0%増と大きく伸ばしている。これには、高性能タブレットとキーボードを組み合わせることで、PCの置き換えやアドオンデバイスとして導入されている背景があるとIDCではみている。
2015年のタブレット端末出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、エイスース、NEC Lenovoグループ、富士通となった。アップルは出荷台数が前年比4.5%減になりましたが、40.9%の高いシェアを維持している。また、同年第4四半期の上位5社は、アップル、ファーウェイ、NEC Lenovoグループ、京セラ、エイスースとなった。
今後の見通しに関しては「デタッチャブルタブレットは、その軽量さとスマートフォンのように画面タッチによる操作ができること、またハードウェアキーボードを搭載できることから、家庭市場を中心にPCの置き換えやアドオンが期待でき、2016年以降、出荷が増加することが予測される。PCベンダーから見た場合は、PCの減少を補うことができ、またユーザーから見た場合は、ポータブルPCよりも安価でPCと同等のパフォーマンスを得ることができる」とIDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は述べている。(編集担当:慶尾六郎)