前週末25日の終値は17002.75円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均は16933円の5日線、16650円の25日線は下に、17372円の75日線、18679円の200日線は上にある。200日線は銀河の彼方にあるような感じだが、75日線は370円上で、十分に射程距離内。そして25日線は頼れるサポートラインになってくれそうだ。
日足一目均衡表の「雲」は25日時点で16183~17433円で、終値はその中にどっぷり漬かっている。今週の雲の上限は17367円でずっと一定。雲の下限は15996~16091円の間で動くが、911~1006円も下にある。雲を上に抜けるまであと365円だが、75日移動平均線同様に十分射程距離内にある。
ボリンジャーバンドでは、25日終値は25日線-1σの16226円と+1σの17074円の間のニュートラル・ゾーンの上限近くに位置している。-2σは15802円、+2σは17499円にある。本来なら上値がやや限定されるポジションだが、前週まで17000円をはさんでさんざんもみあったおかげでオシレーター系指標がこなれ、前々週末まで点灯していた「買われすぎ」のシグナルがきれいに消えた。
116.8の25日騰落レシオのように買われすぎ基準ラインに近いものも、5勝7敗で41.7%のサイコロジカルラインのように売られすぎ基準ラインに近いものもある。25日移動平均乖離率は+2.1%、ストキャスティクス(9日・Fast/%D)は53.6、ボリュームレシオは35.7、RCI(順位相関指数)は+25.2、RSI(相対力指数)は49.7だった。
3月18日時点の需給データは、信用買い残は11日時点から1371億円増の2兆7052億円で2週連続増加。信用倍率(貸借倍率)は4.75で、4日の3.92からかなり持ち直してきた。裁定買い残は893億円増の2兆919億円で3週連続で増加した。信用評価損益率は5週連続で低下しマイナス10.91%まで下がっている。これは昨年の大納会、12月30日時点以来の低水準。需給のトレンドはますます改善の方向に進んでいる。
東証が発表した14~18日の週の投資主体別株式売買動向によると、外国人は11週連続の売り越しで売越額は4579億円。その前の週の1兆1932億円から約6割減だが、それでも額は大きい。個人は2週連続の買い越しで買越額は1875億円、信託銀行は17週連続の買い越しで買越額は181億円。メジャーSQを過ぎても外国人の売りの勢いが止まらず、個人や信託銀行が買っても太刀打ちできなかった。それが週間の星取が1勝4敗と悪かった背景にある。
前週のカラ売り比率は、22日が36.9%、23日が38.9%、24日が41.4%、25日が37.9%だった。24日の40%オーバーに心騒いだ人もいそうだが、1日だけですんでいる。日経平均VI(ボラティリティ・インデックス)は25日時点で23.06で、18日時点の25.35からさらに2.29ポイント低下した。ベルギーのブリュッセルでテロが起きた直後の23日も、時間が経過したこともあり、恐怖指数VIが上昇する反応は全くみられなかった。
現状では、75日線も一目均衡表の雲抜けも射程距離内で、ボリンジャーバンドはやや上寄りでもオシレーター系指標は全くのニュートラル。需給データも改善をみせ、今週の「上放れ」の環境は整っている。
その上放れの上値は、どこまで上がるのか? メドは、今週は17367円で一定になる一目均衡表の雲の上限と、25日時点で17372円の75日移動平均線だろう。だが、終値ではその2つを抜けた17400円付近どまりでも、ザラ場では25日線+2σの17499円付近まで上昇する局面もあると想定する。
一方、下値は限定的で、もし地政学的リスクや要人発言などで為替の円高がドル円111円付近まで進行しても、25日移動平均線の16650円のサポートは盤石だろう。復活祭休暇が明けても日頃の行いを悔い改めるどころか、東京市場でいつも通りに急落を仕掛ける勢力が戻ってきても、終値では下値は16700~16800円どまりというところか?
ということで、今週の日経平均終値の予想変動レンジは16700~17500円とみる。4月1日にジュニアNISA口座の取引が始まり、新規資金の流入が期待できる。野村アセットマネジメントは2016年中に155万口座が開設されると試算している。親思ふこゝろにまさる親ごころジュニアNISAのおとづれ何ときくらむ。(編集担当:寺尾淳)