【今週の展望】春のメジャーSQ週の試練はどれだけ厳しい?

2016年03月06日 20:47

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これまで、さんざん辛酸をなめさせられたSQ週の火曜日、水曜日という「鬼門」。しかしムードが好転して迎えるメジャーSQ。300円安程度の「中波乱」で乗り切れるか?

 今週、3月第2週(7~11日)は5日間の取引。週末、金曜日の11日は「メジャーSQ」の日で9時の取引開始早々にSQ値が算出され、大引け直前の2時46分に東日本大震災の発生から5周年を迎える。「鬼門」のSQ週の火曜日は8日、水曜日は9日になる。メジャーSQだから、鬼の金棒のスイングの威力もメジャー級になるのだろうか? アメリカ大統領選予備選挙の次のヤマ場は、有権者人口が多いフロリダ州、イリノイ州、オハイオ州などで行われる来週15日。

 世界の主要株式市場の休場日は、7日にインド、8日にロシア、9日にインドネシアが、それぞれ休場する。

 国内の経済指標、イベントは8日のGDP改定値、8日の景気ウォッチャー調査が重要。11日は先物もオプションも清算値を算出する3ヵ月に1度のメジャーSQ日になる。

 7日には1月の景気動向指数速報値が発表される。黒田日銀総裁の講演がある。春闘を前に榊原経団連会長が記者会見。8日には10~12月期のGDP改定値、1月の国際収支、2月の消費動向調査、2月の景気ウォッチャー調査、9日には2月のマネーストック、10日には2月の国内企業物価指数、2月の都心部オフィス空室率、11日には1~3月期の法人企業景気予測調査が、それぞれ発表される。11日はメジャーSQ算出日で、東日本大震災の発生から5周年を迎える。

 主要銘柄の決算発表は少ない。小売など2月期決算銘柄の本決算発表はお彼岸明けの22日以降に増えてくる。

 7日にはピジョン、学情、アスカネット、8日にはクミアイ化学工業、9日にはイハラケミカル、菱洋エレクトロ、10日には三井ハイテック、積水ハウス、サトウ食品、イーブックイニシアチブ、シーイーシー、11日にはベルグアース、菊池製作所、エイチーム、フリービット、gumi、TASAKI、カナモト、東京ドーム、丹青社などが発表する。

 新規IPOは今週は2件。9日にブラス<2424>が東証マザーズ、名証セントレックスに新規上場する。名古屋市が本社で、完全貸切のゲストハウスでの挙式・披露宴の企画・運営を行う。今や結婚式の主流になった「ハウスウエディング」。公開価格は4370円。

 11日にフィット<1436>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、セミオーダー低価格住宅「イエテラスの家」の販売・施工や、不動産販売店「いえとち本舗」、不動産投資の「投資の窓口」などを運営している。公開価格は1890円。

 海外の経済指標、イベントは、8日の中国のPPI、CPIと10日のECB理事会に注目。ドラギ総裁は3月の理事会で追加緩和を行う可能性を示唆している。その通りであればいいが、もし「ウソつきドラギ」だったらどう言い訳しようとマーケットにはネガティブ要因。自身の進退問題にも発展しかねない。それほどの責任を伴うのが「要人発言」だ。

 7日にはアメリカの1月の消費者信用残高が発表される。ユーロ圏財務相会合が開かれる。フィッシャーFRB副議長が講演する。8日には中国の2月の貿易収支が発表され、EU財務相会合が開かれる。

 9日にはブラジルの2月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの2月の卸売在庫、卸売売上高が発表される。マレーシアで政策金利が発表される。10日には中国の2月の生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、アメリカの2月の財政収支が発表される。ECBの定例理事会が開かれ、ドラギ総裁が記者会見を行う。ニュージーランド、韓国で政策金利が発表される。

 11日にはアメリカの2月の輸入物価が発表される。12日には中国の2月の工業生産高、小売売上高、固定資産投資が発表される。13日にアメリカが冬時間から夏時間に移行し、来週からNY市場の終了時間は日本時間の午前6時から午前5時に繰り上がる。東京市場の取引開始までの間が3時間から4時間に開く。ヨーロッパは春分の日の後、復活祭(イースター)の27日に夏時間に移行する。

 アメリカの主要企業の決算発表は、7日にアーバン・アウトフィッターズ、10日にダラー・ゼネラルが発表する予定。

 前週の日経平均は週間騰落プラス826円で17000円台に乗せて終わり、東京市場のムードはかなり明るくなった。だが「これで春が来た」と思うのはまだ早い。油断していると「寒の戻り」で風邪をひく。今週は11日がメジャーSQ算出日で、8、9日はその「鬼門」の日になる。

 前週末4日の終値は17014.78円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は5日線の16566円、25日線の16450円は下に、75日線の17908円、200日線の18911円は上にある。3月2日には2月2日以来1ヵ月ぶりにローソク足が25日線の上に出て、テクニカル的にみて大きな区切りになった。

 4日の日足一目均衡表の「雲」は17286~18014円。4日終値は雲の下限まであと272円に迫って、1月6日以来約2ヵ月ぶりの「雲タッチ」が視野に入ってきた。今週は雲の上限はずっと18014円で、3月15日までそこに固定される。下限は7日、8日は17263円だが10日は17342円、11日は17422円と、まるで雲タッチを嫌がっているかのように上がっていくが、ザラ場中にそのシッポをつかめないことはないだろう。