法令違反に厳しく対応 ブラックバイトに厚労相

2016年03月29日 09:49

 日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は28日の参院予算委員会で「ブラックバイト」の悪質例をあげ、塩崎恭久厚生労働大臣に取り締まり強化を求めた。塩崎大臣は「労働関係法令違反に対し厳しく是正指導する。また4月から7月を(ブラックバイトなど、トラブルに巻き込まれないよう、労働条件を確かめるよう)集中的にキャンペーンを行うことにしている」とした。

 キャンペーンでは学生へのリーフレット配布による周知・啓発や大学等での出張相談、「労働条件通知書」を掲載したリーフレット、具体的なトラブル事例を盛り込んだリーフレットなどをキャンペーンで活用する。

 塩崎大臣は答弁で、厚労省として大学生などを対象にアルバイトの実態調査を昨年実施し、バイト先で準備や片づけの時間について賃金が支払われなかったなど労働基準法違反のほか、授業や試験を受けられなかったなど学業に支障がでるなど、その半数に何らかのトラブルがあったことを調査結果で把握したことを示し「労働関係法令違反に対して厳しく是正指導する」としたほか、コンビニなど学生アルバイトの多い業界団体に対し、法令遵守やシフト設定での配慮の要請を行った。また義務付けられている「労働条件通知書」を学生に渡すことを求めたことなどを紹介し、トラブル防止を図るよう、さらに取り組んでいく姿勢を示した。

 辰巳議員は大学生などがアルバイトをする理由が日本大学学生生活実態調査では1994年では旅行や交際などレジャーのための費用捻出が52.7%だったが、20年経ち、これは半減し、生活費や食費のためのアルバイトが倍増しているとし、学生がアルバイトをせざるを得ない実態を提起し、ブラックバイトを追放するための取り組み強化を求めた。

 厚労省はアルバイトでのトラブル相談に「フリーダイヤル、0120―811―610」を設けている。月・火・木・金は午後5時~午後10時、土・日は午前10時~午後5時まで対応している。気軽に相談することがトラブル防止につながる。(編集担当:森高龍二)