「女性活躍推進」や「柔軟な働き方の実現」などが声高に叫ばれ、ワークライフバランス実現の方法を模索する動きが注目を浴びている。日本は労働時間が長いことも過大視されているが、雇用形態や勤務時間の長短がワークライフバランスとどう関係しているのかを正社員・派遣社員・契約社員・アルバイトの雇用形態別に、エン・ジャパンはワークライフバランスについてアンケート調査を行ない、2,629名から回答を得た。
それによると、ワークライフバランスの雇用形態別満足度、第1位は派遣社員で最下位は正社員。現在の勤務時間・勤務日数を長いと感じているのは、正社員。短いと感じているのはアルバイト。ワークライフバランス改善のために、正社員は仕事の割合を減らし、アルバイトは増やしたいと考える人が多数派となっている。
「現在のあなたのワークライフバランスはいかがですか?」と問いに、「ちょうど良い」「だいたい良い」と回答した人の比率を雇用形態別に見ると、第1位は「派遣社員」(64%)、第2位は「契約社員」(59%)、第3位は「アルバイト」(56%)、第4位が「正社員」(47%)だった。派遣社員で働く人は、趣味や家庭など仕事以外に比重を置いた働き方を望んでいるケースが多いため、ワークライフバランスへの満足度も高いことがわかる。反対に、正社員はもっとも満足度が低く、「悪い」という回答も14%と唯一1割を超えている。
「現在の平均勤務時間・平均勤務日数はどのくらいですか?」と聞いたところ、もっとも労働時間が長いのは正社員で、もっとも短いのはアルバイトという結果になった。労働基準法で、労働時間は原則1日8時間まで(休憩時間を除く)とされているが、正社員の平均勤務時間は「9時間以上」という回答が32%にのぼっている。
アルバイトは、「4~6時間未満」という回答が32%と最も多く、「4時間未満」という回答も唯一1割を超え、13%。派遣社員は、「6~7時間未満」という回答がもっとも多く、42%。平均勤務日数は「週5日」という回答が、アルバイトを除いてそれぞれ7割を超え、アルバイトのみ「週3~4日」という回答が39%で最多となった。
「勤務時間・勤務日数についてどう感じていますか?」と問いに対しては、「ちょうど良い」と回答した人の比率を雇用形態別に見ると、順に「派遣社員」(62%) 「アルバイト」(55%) 「契約社員」(53%)「正社員」(44%)隣、ここでも派遣社員の満足度の高さがうかがえる。「長い」という回答は正社員が51%でもっとも多く、反対に「短い」という回答は「アルバイト」が26%でもっとも多かった。
何かと、問題視されることの多い派遣社員だが、この調査を見る限り、仕事とプライベートのバランスを上手にとっているようである。(編集担当:久保田雄城)