IT専門調査会社 IDC Japanは、2015年通年の国内サーバー市場動向を発表した。これによると、2015年の国内サーバー市場規模は5,070億円で、前年から7.3%増加した。また、出荷台数は56万2,000台で、前年から2.0%減少した。
2015年の国内サーバー市場は、2009年以降では最も高い出荷額となった。製品分野別では、x86サーバーが前年から出荷額を増やした。メインフレームやその他のサーバーの出荷額はマイナス成長だった。また、出荷台数は、前年に比べ全ての製品分野で減少した。x86サーバーの出荷台数は、6年ぶりのマイナス成長だった。新規需要による増加に比べて、サーバー集約による減少が大きかったとみられるとしている。なお、2009年の国内サーバー市場は、リーマンショックの影響により、前年に比べ出荷額、出荷台数ともに落ち込んでいた。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤慎也氏は「2015年の国内x86サーバー市場では、前年に比べて平均単価の上昇により出荷額が増加した。円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことに加え、サーバー集約による1台当たりのメモリーなど、オプション類の増加が背景にある」と述べている。
ベンダー別の出荷額では、富士通が首位を獲得した。前年に比べ、HPC専用機の大型案件が貢献しました。x86サーバーは2桁のプラス成長だったが、メインフレームは2桁のマイナス成長だった。2位は、NEC。x86サーバーが2桁のプラス成長だった。メインフレームもプラス成長を確保したが、その他のサーバーは大幅なマイナス成長だった。
3位は、日本ヒューレット・パッカード。x86サーバーが2桁のプラス成長だったが、その他のサーバーは2桁のマイナス成長だった。4位は日立製作所。x86サーバーは2桁のプラス成長だったが、メインフレームやその他のサーバーでは2桁のマイナス成長だった。5位は、IBM。メインフレームが2桁のプラス成長で、その他のサーバーでも前年並みを確保した。しかし、前年のx86サーバー事業のレノボへの移管による出荷額の減少により、順位を一つ下げた。6位はデルだった。
また、出荷台数においては、NECが首位を獲得した。富士通が2位、3位以下は、日本ヒューレット・パッカード、デル、日立製作所、レノボの順。x86サーバー事業の移管によって、IBMに代わりレノボが6位になった。NECとレノボ以外の上位ベンダーでは、出荷台数が減少している。一方で、ODM Directの出荷台数は前年に続いて増加し、上位ベンダーに相当する規模になっている。(編集担当:慶尾六郎)